階級を上げても、強さばかりが際立った。挑戦者で同級2位の井上尚弥(25=大橋)が、王者のジェイミー・マクドネル(32=英国)を初回1分52秒にTKOで下し、井岡一翔(井岡)のプロ18戦目を抜いて日本人歴代最速となる16戦目での世界3階級制覇を達成した。
「怪物ぶりは十分にアピールできたと思います」。井上尚は初回に左ボディーで最初のダウンを奪い、一気の連打を繰り出すとレフェリーが試合を止めた。前日計量など3日連続で公式行事に遅刻した王者に怒りの鉄拳制裁。当日計量では井上尚の6キロ増に対し、王者は2倍の12キロ増。体格差が心配されたものの、それも杞憂(きゆう)だった。
日本人5人目の世界3階級制覇。これで具志堅用高(協栄)に並ぶ世界戦6連続KO勝利、通算10戦目(11試合)の世界戦KO勝利は内山高志(14試合)に並び、いずれも日本人歴代最多タイとなった。続けて「WBSSバンタム級トーナメントのオファーが正式に来ていて、出場します」と今秋開幕となる主要団体王者による世界一決定戦への出場を明言。バンタム級で新たな目標に突き進む。井上尚の通算戦績は16戦16勝14KO無敗。
(スポニチアネックス)
階級を上げても、圧巻の強さはすばらしい。