「高市1強」の力に任せた国会運営が、ひどすぎる。
国権の最高機関である立法府を、首相の一存で振り回すような現状を憂慮する。正常化に向け、政府・与党は頑(かたく)なな姿勢を改めねばならない。
通常国会は会期末まで2週間を切る中、与野党の対立が深まっている。政権は提出したばかりの皇室典範改正、衆院議員定数削減法、「副首都構想」関連法の3案を短時間の審議で成立させようとしているからだ。
いずれも高市早苗首相が衆院選で具体的に語らなかった「国論を二分する政策」であり、実際に世論の賛否は割れている。
皇室典範改正案は旧宮家の男系男子を養子に迎え、その息子は皇位継承資格を持つとした。与野党協議でまとめた「立法府の総意」にはなく、高市氏と、後ろ盾の麻生太郎自民党副総裁の意向が強く働いたとされる。
定数削減は、社説で指摘してきたように、自民裏金事件を踏まえて必要な企業・団体献金改革から国民の目をそらす、名ばかりの「政治改革」である。
与野党協議で1年以内に結論が出なければ、自動的に比例定数を45削減する内容で、議会制民主主義を自ら壊すに等しい。
多様な民意を映す比例の削減は、与党優位に働き「焼け太り」になる。党利党略が過ぎよう。
野党が審議入りに反対する中、与党だけで委員会を強行し、野党の審議時間の経過を待つ「空回し」を繰り返した。
ごり押しの審議入りは、副首都構想も同様だ。日本維新の会が昨秋の連立合意で盛り込んだ。災害に備えて首都機能を分散するのは積年の課題だが、法案は生煮えで曖昧な部分が多い。維新の本拠地である大阪に、公費を注ぎ「第二東京」にするような思惑が透ける。
問題だらけの日本国旗損壊罪法案はわずか3日間の委員会審議のみ。全野党が出席を拒む中、衆院で可決した。なぜ必要か、何が対象か不明なまま、刑罰をかざして日の丸に敬意を払えと言わんばかりの中身に、憲法違反との指摘が相次ぐ。野党は参院で廃案を目指してほしい。
そもそも国会混迷のきっかけは、高市氏の公設秘書が自民党総裁選などの対立候補を中傷する動画や、首相の名が入った暗号資産(仮想通貨)「サナエトークン」の発行に関わったとの疑惑である。
高市氏は「秘書の陳述書提出」を答弁に代えたいと述べるなど、国会質疑の軽視が際立つ。はぐらかしで審議時間を空費せず、秘書の参考人招致に応じるのが筋ではないか。
何よりまず、野党が求める党首討論や集中審議に立ち、国会から逃げずに向き合うべきだ。
先の衆院選で与党の比例得票率は合計で4割余り。過半数を占めた野党が分裂し、大勝したが、有権者は白紙委任したわけではない。首相の自覚を求める。
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疑惑に答えず、国会から逃げ、数の横暴、これが三流国にした自民党の現実でしょう。







