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2018年1月4日木曜日

井岡一翔が引退…28歳王座返上から2カ月足らずで早すぎる決断

 元世界3階級制覇王者で前WBA世界フライ級王者の井岡一翔(28)が31日、横浜市内で会見し、現役引退を発表した。30日に日本ボクシングコミッション(JBC)に引退届を提出した。プロ通算23戦22勝(13KO)1敗。11月にWBA世界フライ級のベルトを返上後、2カ月足らずでの電撃引退となった。

 一時代を築いた技巧派がリングを離れる。7年ぶりに試合のない大みそか。4月のV5戦後の一夜明け会見から沈黙を守ってきた井岡の口から出た言葉は衝撃的だった。

 「防衛していく中でさらなる目標を見つけて5度目の防衛の前に引退を決意しました。今日をもって引退します」。元世界2階級制覇王者の弘樹氏を叔父に持つサラブレッドは、アマ時代に培ったテクニックを土台にデビューから白星を重ね、11年に当時国内最速記録となるプロ7戦目で世界王座を奪取。その後も国内3人目の3階級制覇や国内歴代1位タイの世界戦14勝など数々の記録を樹立した。八重樫東と12ラウンドを戦い抜いた統一戦の激闘は語りぐさだ。

 井岡は5月に歌手・谷村奈南(30)と結婚し東京に生活拠点を移した。大阪にある所属ジム、井岡ジム会長の父・一法氏(50)には防衛戦後に思いを伝え「分かった」と承諾を得ていたことを明かした。父に対しては「感謝している」と述べたが、11月9日のベルト返上会見は、異例の王者不在だった。この日は逆に王者だけで会長が不在。引退への、新妻の影響は否定したものの、結婚後は会長と井岡との間のコミュニケーション不足が目立つようになり、父子の折り合いの悪さを指摘するボクシング関係者も少なくなかった。

 関係者によると井岡は都内で現在もトレーニングを継続。復帰も「可能性はゼロではない」と選択肢にはある。ただ、現時点で海外でボクシングを続ける予定については「ない」と明言。今後については「次のステージに進むビジョンはできています。期待を裏切ることなく、さらに期待を持っていただけることだと確信しています」と、詳細については語らなかった。

 過去には高山勝成のように、いったん引退届を提出しながら、その後海外で実績を上げて国内復帰が認められた例もある。ただし、ライセンスを再発行するには受け入れジムが必要だ。プロ23戦でダウンは2度しかない。まだ28歳。早すぎる決断を惜しむ声は多い。

 ▼元世界3階級王者八重樫東 まだできると思うし、もったいないという感じだが、ケガなく終われるのは一つの終わり方としていい。間合いとタイミングが素晴らしい。積み重ねた努力のボクシングだった。

 ◆井岡 一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日、堺市出身の28歳。大阪・興国高で6冠達成。東農大で北京五輪出場を目指すも07年全日本選手権決勝で敗れ、日本代表を逃す。09年4月プロデビュー。11年2月にプロ7戦目でWBC世界ミニマム級王座獲得。12年6月にWBAとの同級統一戦に勝ち日本人初の複数団体統一王者となる。同年12月、WBAライトフライ級王者。15年4月にWBA世界フライ級王者となり3階級制覇。17年4月に5度目の防衛に成功。身長1メートル65。右ボクサーファイター。
(スポニチアネックス)

 復帰してもらいたい。

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