(ブルームバーグ): トランプ米大統領を熱烈に支持する勢力の一部からも、通信アプリ「シグナル」のチャットからの軍事情報漏えいを巡り、政権チームが非を認めないことへの不満が噴出している。これまで見られない亀裂が大統領の支持基盤に走った。
トランプ氏の政治キャリアを特徴づける「忠誠を何より要求する」傾向は、2期目の政権で一層強まった。大統領権限の限界に挑み、議会から歳出権限を一部奪い、自由貿易に代表される保守派の聖域を破壊したにもかかわらず、共和党陣営はこれまでトランプ氏におおむね同調してきた。しかし、それは今週までの話だ。
ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)と思われる人物が、親イラン武装組織フーシ派への爆撃の計画を話し合うグループチャットにアトランティック誌編集長を誤って招待した。
米軍の攻撃計画の漏えいと、ホワイトハウスの大げさな後始末は、大統領の一部支持者にとって耐え難いものとなった。今の危機は4日目に入り、共和党の議員やストラテジスト、オンラインのインフルエンサー、友好的メディアの大物バースツール・スポーツのデービッド・ポートノイ氏でさえ、トランプ政権チームが自ら招いた危機にますます嫌気が差し、抗議の声を上げた。
FOXネーションの司会者で保守派の論客として知られるトミ・ラーレン氏は「『シグナル』を巡る今回の失態は、言葉巧みに言い繕おうとすればするほど、逆効果になっている。ひどい話だった。われわれのサイドから出てくる『とやかく言うな』的論法に正直うんざりしつつある」とX(旧ツイッター)に投稿した。
民主党陣営だけでなく共和党陣営の間でも、今回の出来事への怒りが広がっており、ラーレン氏のコメントはその一部に過ぎない。
共和党陣営の一部の人々によれば、ミスそのものが問題なのではない。アトランティック誌がチャットでのやりとりの全履歴を公開した後、トランプ大統領と他の高官は、それでも自分たちが悪かったと認めることを拒んでおり、それがむしろ問題だ。
攻撃の詳細なタイミングや「F18」戦闘機、無人機、トマホークミサイルといった兵器の配備に関する情報を伝えるヘグセス国防長官のメッセージも履歴に含まれていた。国家安全保障の専門家らは、外国の敵対勢力に情報が知られた場合、米軍兵士の生命を危険にさらす恐れがあったと警告する。
共和党のストラテジスト、ホイット・エアーズ氏は「信頼性の鍵は二つある。明白な事実を決して否定せず、弁解の余地がないことを弁明しないことだ。過去48時間で政権の複数のメンバーがその両方を行った。何か言うつもりなら、少なくとも信用できるようにしなければならない」と指摘した。
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軍事情報漏えいの非を認めず、誤魔化そうとするスタンスが、おバカなトランプでしょう。