宗教法人としての世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、東京地裁は25日、解散命令を下した。教団側は地裁の決定を不服として即時抗告する方針を明らかにし、徹底抗戦の構えを見せる。
旧統一教会は1964年、東京都の認証を受けて宗教法人となった。「社会的な公益性がある」というお墨付きを得て宗教活動を続けてきた。
教団が公称する信者数は今年1月時点で全国に9万人弱。3月上旬に取材に応じた勅使河原秀行・総務局長は「(2022年7月の安倍晋三元首相銃撃)事件後に1万人ちょっと減ったが上下動の範囲内」と明かした。さらに、1700人の教団職員、280カ所の教会を抱えているという。
解散命令の決定を受け、教団側の代理人弁護士は「遺憾だ。法治国家としてあり得るのか。即時抗告する」と述べた。
即時抗告を受けた東京高裁が地裁決定を支持すれば解散命令は効力を持ち、教団は宗教法人格を失う。教団側は不服を再度申し立てられるが、最高裁の判断を待たずに裁判所が選んだ清算人が預金や不動産といった教団の財産を清算する手続きが始まる。
旧統一教会は教会や研修施設など、少なくとも全国に約100カ所の土地、建物を持つ。現預金も合わせ、数百億円以上とみられる資産は、教団の手を離れる。
また、これまで寄付収入は非課税で、教会施設の固定資産税も免除されていた。収益事業にかかる税率も一般企業より低く設定されていた。それらの税優遇もなくなる。
課題となるのは、被害者に対する救済の行方だ。
補償や賠償金は、清算人が教団の財産から支払う。ただ、解散命令確定までの間に、教団の財産が関連団体や教団信者に移されれば、救済がままならなくなる恐れがある。
仮に救済が進んだとしても、清算手続きが終わってからの被害申告は認められない。
清算手続きが進んだ後に、資産が教団に残っていれば、教団側が指定する他の宗教団体に譲渡されたり、国庫に納められたりして、最終的には資産がなくなる。
献金してしばらくたってから自らの意思ではなかったと気づく被害者も少なくないとされ、どのように救済を進めるかが大きな課題となる。
被害救済に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会はこうした懸念を解決すべきだとして、教団の財産保全▽清算人が財産を取り戻すための権限付与▽清算後の被害者救済――をそれぞれ実現する法整備を求めている。【春増翔太、菅野蘭】
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不当な献金問題で金儲けの輩に社会的な公益性を認めないことは当然の事でしょう。被害者救済のための法整備が急務でしょう。
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