「7番・指名打者」で臨んだ3月11日のオープン戦。日曜日とあって、千葉県にあるファイターズ・鎌ケ谷スタジアムには4000人超のファンが詰めかけたが、期待には応えられなかった。二、四回と空振り三振で迎えた六回。マウンドには、DeNAにドラフト5位で入団した同い年のルーキー、桜井周斗投手(東京・日大三高)がいた。2016年11月3日の春季東京大会決勝で5打席連続三振を喫した宿敵だ。結果は3球三振。2死満塁の好機を生かせなかった。九回も空振りの三振に終わり、無念さをにじませた。
「悪くはないかなとは思うんですけど、なかなか仕留めきれていない…」。努めて冷静に自己分析しようとするその姿が、18歳の苦悩をかえって際立たせた。
清宮本人が苦慮しているのが、木製バットへの対応だという。「木(製のバット)ですね。やはり、そこにつきてしまうかと思います。(打ったと思っても)やっぱり、ファウルになっちゃう」。高校時代は金属バットで通算111本塁打を放ったスラッガーも、木製バットの感覚をつかむには時間と労力を要しているようだ。
現段階では技術的に1軍レベルには達していないかもしれない。ただし、栗山英樹監督の見方は違う。4打席連続三振を喫した清宮に対し、栗山監督は「自分の形が崩れたり、思ったようにできないとか、それがプロ野球だから。本当に素晴らしい経験をしていると思う」と決して叱責することはしなかった。さらに、指揮官は「中途半端な形よりは前に進んでいる。(現在の不振は)必ず大きな糧になる。大丈夫です」と強調した。
自分の足りない部分や欠点を見つめ、一流のプロ野球選手として向上するためには何が必要なのか、自らの頭で考えてほしい-。指揮官の言葉には、チームの看板打者に育てたい“親心”がにじんでいた。
「プロ(の投手)の変化球は切れがあるし、(打席での)駆け引きも大事だと思う」。清宮は自らに言い聞かせるように、言葉に力を込める。千里の道も一歩から。多くの試練を糧に、プロの荒波を乗り越えていく。
(産経新聞)
高校時代、一流の投手を打てなかったことと同じで、プロの投手から打つのは難しいだろう。
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