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岸田文雄首相は2月6日、「LGBT理解増進法案」の国会提出に向けた準備を、茂木敏充幹事長に指示したと「産経新聞」が報じた。 同法案は、2021年に自民党を含む超党派の議員連盟が提出を目指したが、自民党内の保守派の反対により見送られていた。 また、性的少数者や同性婚に対して、荒井勝喜・前首相秘書官が「見るのも嫌だ」などと差別的な発言をおこなったことについて、岸田首相は同日の政府与党連絡会議で「不快な思いをされてしまった方々にお詫びを申し上げたい」と陳謝した。 一方、1日の衆院予算委員会で、同性婚法制化への見解を問われた岸田首相による「社会が変わってしまう」という答弁は、首相本人の判断によるものだと報じられた。 首相側近による失言直後の“方針転換”を、当事者たちはどう受け止めているのだろうか。同性カップルでシンガポールに移住し、代理出産でもうけた一児を育てる日本人男性が語る。 「もともと、自民党は同性婚には慎重な姿勢だったので、問題の火消しに回っている印象が拭えません。 岸田首相の発言は、率直に言って残念でした。荒井氏の発言は、固定観念で判断する、人種差別にも通じるひどい言葉だと思います。 同性愛者が社会に存在していることは事実であって、異性愛者と同じ権利を享受できていない日本は、世界的に見て圧倒的に遅れています。 私の夫はオーストラリア人のため、コロナ禍で、法的に配偶者として見なされない日本に一緒に帰国できない、ということがありました。いざというときに、家族揃って帰れない母国って何? って思いましたよ。 多様性の観点を考えると、子供に日本で育ってほしいかは、疑問符がつきます」 ヨーロッパに移住し、永住権を獲得しているゲイの男性も「社会が変わってしまう」という首相の発言を批判する。 「家業や遺産の相続、お墓の管理など、家族についての制度や慣習が社会の基盤であることは事実。でも、それを同性婚が破壊するとは思いません。 むしろ、うまくシステムを作れば、これまで硬直的な日本社会が陥っていた問題を解決できるかもしれません。たとえば、ゲイの長男が結婚して養子を迎えられたら、家業を継いでくれるかもしれません。 あと、荒井氏の『同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる』という発言は、むしろ逆ではないでしょうか。日本が窮屈なことで、同性愛者に限らず多くの人材が流出していると思います」 一方で、日本国憲法第24条に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」と記されていることから、同性婚を認めるには改憲が必要だという意見もSNSには多く投稿されていた。 《「両性」に同性婚を読み込むのはやはり解釈改憲なので。憲法改正の議論の俎上に載せて議論されるべき》 《同性婚議論割れてるのに改憲無しでいこうとする理由がよくわからない》 なかには《同性婚で社会が変わると岸田総理 憲法改正をしなければと言いたかったのかな?》という、うがった声も見られた。 いずれにせよ、性的少数者への差別発言は許されないし、権利はすべての人に平等に与えられるべきだろう。
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批判をかわすために、またその場限りの中途半端な法案でしょうか。
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