2024年から続くコメの高値。いわゆる『令和のコメ騒動』は、いつになったら収束するのか。販売店への取材で見えてきた価格高騰の背景。そして国が計画する備蓄米放出の効果は?
とどまるところを知らない価格高騰
北九州市民の台所。小倉北区の旦過市場に店舗を構える人気のおむすび店『米夢マイム』の人気商品は、からっと揚がったぷりっぷりのエビを、ほっくほくのごはんで包み込んだ『海老天むす』。市民から長く親しまれている。 店を切り盛りするのは、店主の中尾憲二さん。「去年の秋の新米から原価ベースで約1.5倍、高い。『令和のコメ騒動』をなんとか乗り切らないといけないなと思っています」と2024年の夏以降から続くコメ不足に頭を悩ませている。 2024年2月にコメ5キロあたりの値段は2018円だったが、2025年1月には3650円と新米が出荷された後も1600円以上上昇。価格高騰はとどまるところを知らないのだ。
例年に比べスカスカ状態のコメ倉庫
一方、福岡市内の米販売店『米のしんかい・みのりや』。「この辺りが米の倉庫になるんですけど…」と店主の新飼哲哉さんが示すコメ倉庫。例年は、満杯で隙間なく詰まっているような状況だが、現在は、かなり隙間がある。 この販売店では、販売量を1人5キロに制限している。すでに在庫切れとなった銘柄もあるほか、サンプルとして台湾から輸入した米も置かれている。 コメの高値が続くなか「いち米屋が、どうにかできる状況はとうに超えている」と新飼哲哉さんは、肩を落とす。 訪れた客のひとりが「あの時も米が高かったっていうか、コメが入らなかったよね」とある出来事を思い出していた。
新規参入業者がコメ買い占め?
1993年から1994年にかけて、全国的な天候不良による凶作で、未曾有の米不足になり、カリフォルニア米やタイ米が店頭に並んだ。平成のコメ騒動だ。あの時と同様の事態となるのか。 農林水産省によると、2024年のコメの生産量は前年より約18万トン増えたという。しかし集荷業者が集めた量は21万トン減っていた。この”消えた21万トン”はどこへ行ったのか? 新飼さんは「『平成のコメ騒動』よりも、米の価格だけを見れば酷い状況になっている。どこの業者さんも買い込みをされているのは間違いない」と表情を曇らせる。 「米はある。どこかにストックしていると考えざるを得ない」と江藤拓農林水産相も1月31日の記者会見で疑念を口にした。農水省は、新規で参入した業者がコメを買い込んでいる可能性があるとして調査を始めている。 国は、災害や不作などの緊急時に備え、政府が保有している備蓄米の放出を決めていて、その概要を発表する方針だ。 農産物の流通に詳しい日本総合研究所の三輪泰史さんは「3〜4割安いところまで一気に下げていくというかたちになります。3月末〜4月ぐらいには備蓄米を大胆に放出した効果というのが実感できる状況になるかなと思います」と放出される備蓄米の量によっては、早ければ3月の末にも効果が見えてくると指摘する。 備蓄米の放出がどこまで価格の安定に結び付くのか。その行方が注目される。 (テレビ西日本)
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買占業者を儲けさせないためにも、大量の備蓄米放出や輸入拡大が必要でしょう。
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