第27回参院選は21日、改選124議席(選挙区74、比例50)と東京選挙区の欠員を合わせた計125議席の当選者が確定した。自民、公明の与党は47議席で、非改選を含め参院全体で過半数を割り込む大敗となったが、自民党本部で記者会見した石破茂首相(自民党総裁)は「政治を停滞させない」と続投を正式表明。これに対し党内外から不満や批判の声が噴出した。 石破氏は会見で「国民の厳しい審判を頂いた。深くおわび申し上げる」と陳謝。「ここから先は、いばらの道だ」としながらも「比較第1党としての責任を果たしたい」などとし続投を表明した。その理由として、日米関税交渉や物価高、厳しい安全保障環境などの政策課題を挙げた。続投期限については「今考えているわけではない」と説明。党役員人事や内閣改造の是非を問われ、9月末の役員任期を念頭に置きながら考えるとした。執行部の引責辞任には否定的な考えを示した。自身を含め、誰も敗戦の責任を取らないことになる。 報道陣から「2007年の参院選で敗北した安倍晋三元首相に、石破首相は“辞めるべき”と言ったはず。自分に甘いのではないか」と詰め寄られる一幕もあった。石破氏は当時、党の総務会で「選挙に負けたのに続投するのは理屈が通らない」と辞任を迫り「私だったら即座に辞めて、落選した人に謝って回る」とも発言した。石破氏はこの日「“なぜ続投するのか述べて国民の理解を得る必要がある”と言ったと記憶している」と釈明。09年には都議選で自民が敗北後、麻生太郎首相(当時)にも退陣を求めており、ネット上には「特大ブーメランだ」などと皮肉の書き込みが殺到した。 “厚顔無恥”とも言える石破氏の対応に、党内からも批判の声が上がった。山口県連の友田有幹事長は「比較第1党として信任を受けたというのは詭弁(きべん)だ」と記者団に語り、高知県連は緊急の役員会で早期退陣を党本部に申し入れることを決めた。閣僚経験者の一人は「自ら辞任しないならば(石破降ろしを)やるしかない」と語った。京都選挙区で4選を果たした元安倍派の西田昌司氏は「国民から見放された人が物を言っても信頼性がない」と糾弾。続投は「あり得ない」として総裁選の実施を求めた。西田氏は参院選で「ひめゆりの塔」の展示内容についての自身発言などで強い逆風にさらされた。 石破氏の党総裁の任期は27年9月30日だが、党則には「総裁の任期満了前に、党所属の国会議員および都道府県支部連合会代表各1人の総数の過半数の要求があったときは、総裁の選挙を行う」の項目がある。党関係者は「議員、地方組織の不満が高まっていけば(総裁選が)あるかもしれない。麻生派や元安倍派には“人事で声がかかっても協力しない”と話す議員もいる。早晩行き詰まるのでは」と語る。31日には選挙総括の両院議員懇談会が開かれる。続投を納得させる説明ができなければ“石破降ろし”の加速は避けられない。 ≪野党幹部も続投を批判≫野党幹部は、続投を正式表明した石破氏の対応を批判し、対決姿勢を強めた。立民の野田佳彦代表は「民意を無視して居座り続けるのか。説得力がなさ過ぎる」と指摘。国民の玉木雄一郎代表は「驚いた。続投した上でのビジョンを示すべきだ。選挙で示された民意に真摯(しんし)に向き合っていない」と疑問を呈した。
≪厳しい民意の表れ 経済界からは安定求める声≫経済界からは与党への「厳しい民意の表れ」を真摯に受け止めるよう求めるコメントが相次いだ。経団連の筒井義信会長は「自民、公明両党を中心に、安定した政治の態勢が確立されることを強く期待したい」と表明した。経済同友会の新浪剛史代表幹事は「国民の政権運営への不安が高まったことの表れだ」と強調。伸長した野党に対しても「より具体的で実現可能性のある政策を提示し、責任を持って国民の期待に応えるよう求めたい」と呼びかけた。
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厳しい民意の表れに誰も責任を取らない厚顔無恥は、裏金問題でも反省と説明がない自民党の体質でしょうか。民意を無視した政治はダメでしょう。
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