スイング同様、迷うことなく人生のかじを切った。ヤクルトから自由契約となっている鵜久森淳志外野手(31)が、野球界を離れる決断を下した。
11月の合同トライアウト後1週間は、オファーの連絡を待った。吉報が届かないと見ると、就職活動を開始。4度の面接をクリアし、ソニー生命から内定を得た。「今後の人生も考えて決断しました。内定をいただけでよかったです」と声を弾ませた。
栄光と苦難を繰り返した野球人生だった。済美高(愛媛)時代には4番打者として春の選抜優勝、夏の準優勝に貢献。日本ハムへ入団したが能力を存分に発揮できず、15年オフに自由契約を通告された。
諦めきれずに受験したトライアウトをへて、ヤクルトのユニホームに袖を通した。新天地では「右の代打」という新たな職場を得た。17年4月2日DeNA戦では、4-4の延長10回に代打サヨナラ満塁本塁打。右の外野手が手薄な中、居場所を確立した。だが、若返りも図る球団の方針もあり今オフに再び自由契約を通達された。再びトライアウトに活路を見いだそうとしたが、現実は厳しかった。
悔いはない。「ボロボロになるまで、最後の最後まで可能性がある限りと思って、やり切りました。野球界には長くいさせていただいて感謝しています」と顔を上げた。年が明けると、ソニー生命柏支社で営業職として、バットをペンに替えて業務を学ぶ。「なかなか期待に応えられなかった14年間でしたけど、多くの方が応援してくれたおかげで頑張れました。今後は自分も多くの人をサポートできるように頑張りたい。毎年退団する選手はいる。野球界の外から、セカンドキャリアのサポートもしてみたい」。チームが困った時にバットで窮地を救ってきた鵜久森が、これからは保険の営業マンとして多くの人の人生をサポートしていく。【浜本卓也】
(日刊スポーツ)
プロで能力を存分に発揮できなかったことは悔いが残るだろうが、セカンドキャリアで頑張ってもらいたい。
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