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2019年5月12日日曜日

日本ハム 渡邉諒 逆転弾!上沢とチーム救った!

日本ハム7-5西武(10日、札幌ドーム)

 若武者の一撃がチームを救った|。日本ハムは10日、西武と7回戦(札幌ドーム)に臨んだ。3点リードで迎えた六回、先発・上沢直之投手(25)が中村剛也内野手(35)に満塁弾を浴びて逆転を許す。この厳しい状況を救ったのは渡辺諒内野手(24)だった。無死一塁から西武先発・多和田真三郎投手(26)から会心の3号逆転2ラン。6回5失点と苦しんだ上沢に4月12日・ロッテ戦以来の3勝目を贈り、チームは再び貯金1とし2位タイに浮上した。
 左中間スタンドへ今季3号
 若武者の一振りがエース、そしてチームを救った。渡辺が値千金の逆転2ラン。西武との打ち合いを制し、大事なカード初戦を取った。
 1点を追う六回無死一塁。ベンチからバントのサインはない。指揮官の期待を背中に感じながら、狙っていた西武・多和田の初球を振り抜いた。打球は日本ハムファンが待つ左中間スタンドへ。今季3号は試合をひっくり返す大きな大きな逆転V弾となった。
 「『打て』のサインが出たので、なんとしても打ちたかった。(監督から)期待されている部分もあった。しっかり結果で返すことができて良かった」


 帰ってきたエースに黒星をつけさせるわけにはいかなかった。直前の六回の守り。2軍調整から戻ってきた上沢が、まさかの逆転満塁本塁打を浴びていた。「上沢さんも苦しんでいる面があった。逆転された直後に逆転し返したことがうれしく思います」。開幕から思うように状態が上がってこないエースに、何よりの良薬となる白星をプレゼントした。
 2014年、東海大甲府高からドラフト1位で入団。大型内野手として、大きな期待を寄せられてきた。しかし、故障もあり1軍と2軍を行ったり来たり。本意ではない時間を過ごした後に、昨季は自己最多の60試合で7本塁打を記録、ブレークの兆しを見せた。「昨年、あれだけ出させてもらって今年結果が出なかったら、信用もなくなる」。プロ6年目。背水の思いで今シーズンを歩んでいる。

 さらにレギュラー二塁手を長年務めてきた田中賢が今季限りでの引退を表明し、定位置確保への決意はより強くなった。「『俺がやった方がいい』と思われないように。安心して引退してもらうためにレギュラーに定着して、チームが優勝できるように。恩返しがしたい」
 スカウティングと育成を球団方針に掲げる日本ハム。渡辺の活躍は、チームの取り組みを象徴する。昨年11月の秋季キャンプ中、栗山監督は言った。「ドラフト1位の選手が輝かないと、このチームは優勝できない」。時間をかけて育てた才能は今、芽吹きの時を迎えている。原石の輝きが増すほどに、3年ぶりの歓喜は近づく。 (中田和樹)
(道新スポーツ)

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