配信
衆院解散を受け事実上スタートした衆院選は、石破茂首相(自民党総裁)と立憲民主党の野田佳彦代表のどちらが次期首相にふさわしいかを選択する戦いだ。石破首相は就任8日後というスピード日程で解散に踏み切ったが、「主張が変節した」などと批判を浴び、新政権発足の「ご祝儀相場」はすでに消えた。自民内には、派閥パーティー収入不記載事件を受けた「懲罰選挙」になるとの危機感が渦巻く。 ■混沌の衆院選の予感 9日午後4時過ぎ、衆院本会議で額賀福志郎議長が「衆院を解散する」と詔書を読み上げた。野党席から「党利党略だ」と野次(やじ)が飛び、与党席では恒例の「万歳」を叫ぶタイミングが遅れた。万歳しない自民前議員の姿もあった。締まりのない風景が混沌(こんとん)とした衆院選を予感させた。 国会議員の仲間が少ない首相の支持基盤は国民世論だ。だが、野党による「不記載議員への対応が甘い」との批判や、予算委員会での論戦に応じずに解散に踏み切ることへの「逃げた」との非難は世論に響いた。 ■不記載議員非公認に評価の声も 自民関係者によれば、1日の首相就任の数日後から実施した党の情勢調査は厳しい結果だった。党幹部の一人は「自民の単独過半数割れどころか自公で過半数割れもない話ではない」と指摘。総裁選で石破陣営だった前議員は「自民への懲罰選挙になる。死屍累々(ししるいるい)だ」と語った。 危機感が強まる中、首相は9日、不記載議員12人を公認しないなど厳しい対応を決めた。旧安倍派は反発したが、「国民は怒っている。これくらいやらないと無党派層が逃げる」(閣僚経験者)と評価する声も多い。 ■「真ん中」の取り合いに 首相同様、立民の野田氏も「保守的な無党派層」の世論を強く意識している。9月23日の就任直後の党幹部人事では「現実的な中道路線」に戻そうとリベラル色の強い有力議員を極力排した。共産党とは共闘しない方針にかじを切り、公約では非現実的な「原発ゼロ」を封印した。 首相が総裁選の決選投票で逆転勝利した背景に「高市早苗氏は岩盤保守に人気があるが、中間層が取れないのでは」(党幹部)との分析もあった。野田氏の代表選勝利も党内リベラル系の台頭への拒否感が働いた面がある。衆院選で自民と立民は、左右の岩盤支持層よりも「真ん中」を取りに行く構図となる。(田中一世)
**************************************************************
選挙に行こう。棄権ではなく、投票で日本の政治が変わります。それでも裏金議員、自民党に投票しますか。
0 件のコメント:
コメントを投稿