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提示額、数日で上昇 3・5万円も
2025年産の米を巡り、集荷競争が過熱している。主力産地のJAは概算金を大きく上げたが、商系業者はさらに上回る価格を提案する。商系業者同士でも米が取り合いになっており、提示金額は日を追うごとに上昇。前年以上の相場が形成されつつある。 「数日間で業者が提案する金額が数千円も上がった」。主力産地では出荷時期が早い茨城県西部で、約50ヘクタールの米を栽培する農家がこう明かした。 8月中・下旬に相次いだJA全農県本部や経済連による概算金の提示は同2万6000~3万円が中心。当初、同農家に対する商系業者の提案額は3万円前後とほぼ同水準だったが、3社の商系業者が「他の業者より高く買う」と競争。8月末の時点で最も高い額を提示しているのは、大手商社が主要株主の農業資材販売会社で、茨城「コシヒカリ」に同3万5000円(税込み)の値を付けた。 福井県の米穀店・福井精米は8月中旬、25年産「ハナエチゼン」を3万2000円(税込み)で買い取るとした新聞広告を地元紙に出した。同時期にJAが示した概算金を数千円上回る水準で、集荷量の確保を目指した。 だが、「前年より集荷量は少ない状況」と同社。県外から大手や中堅の米卸が同社の価格を上回る額で集荷に来ているという。同社も対抗し、広告を出した2週間後に3万3500円に引き上げた。
異業種も参戦
集荷競争のプレーヤーも多様化している。群馬県板倉町の米農家、多田元宏さん(58)の元には老人ホームや飲食店などの実需から米の購入を打診する連絡が相次いでいる。実需が地域で聞き込みをして連絡先や住所をたどってくるのだという。「去年より問い合わせは多い。米の仕入れにみんな必死だ」と多田さんは話す。 JAの多くは、25年産米で過去最高額の概算金を提示したが、商系業者などが提示する相場と差が付き始めている。こうした状況に危機感を抱いたJAは、提示から間を開けずに追加払いを決めるなど対応に追われる。 ただ、急速な米価上昇が消費者離れにつながるとした懸念も広がる。60キロ当たり3万円以上の相場が続けば、「輸入米を選択する中・外食業者も多い」(大手米卸)という。米価と米需給の安定が強く求められている。 (金子祥也、鈴木雄太)
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コメ不足でないとしても、卸売業者の出荷調整による高値安定で、国産米のコメ離れが進むでしょうか。

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