コー・ユー(BBCニュース、シンガポール)、ヘレン・ウィレッツ天気解説者 極端な気象現象がアジア各地を襲い、何百人もの命を奪っている。中国やパキスタン、そしてインドの一部地域では集中豪雨が発生し、日本や韓国は猛暑に見舞われている。 気候変動によって極端な気象現象がより激しく、頻繁に起き、予測不能になっていると、科学者たちは指摘している。 こうした傾向は、特にアジアで顕著に見られている。世界気象機関(WMO)によると、アジアでは世界平均のほぼ2倍の速さで温暖化が進んでいるという。 気候リスク指数の年次調査によると、アジア地域は、洪水や熱波、干ばつなどの極端な気象現象の影響で、過去30年間で2兆ドル(約295兆円)の損失を被っている。 ■記録的な暑さ 日本では5日、群馬県伊勢崎市で摂氏41.8度を記録し、観測史上最も暑い日となった。 また、2カ月連続で、日本の観測史上最も暑い6月と7月に見舞われた。 東京都監察医務院によると、東京23区で熱中症で死亡した人は、6月16日から8月3日までの時点で60人に上る。 暑さのため鉄道のレールがゆがむ可能性を懸念し、一部列車の運行が停止される事態も起きている。 会社員の1人はAFPの取材に対し、「地球温暖化がとても心配だが、エアコンなしで日々の生活を送ることはできない」と話した。 「何をすべきか分からず、ただ毎日を必死に乗り切っているだけです」 日本の一部地域では今後数日で、24時間に最大200ミリの降水量が予想されており、猛暑はやや和らぐ見込み。週末の雨と一時的な寒気で、各地が猛暑からいくらか解放されることになる。 韓国では7月、夜間も気温が25度を下回らない「熱帯夜」が22日連続で続いた。 救急サービスは同月、熱中症関連の救急通報が急増していると報告した。 政府機関や企業は、従業員がより快適に働けるよう職場での服装規定を緩和し、エアコンへの依存度を減らす取り組みを進めている。 ヴェトナムの一部地域も異例の暑さに直面している。首都ハノイでは、8月としては観測史上初めて40度を突破した。建設作業員のナム氏はAFP通信に、首都は「まるで火にかけられた鍋の中」にいるようだと語った。 ■台風シーズン 一方で中国では、上海から北京にかけて洪水が発生し、ここ数週間で多数の死者が出ている。 南部では豪雨が続き、6日には救急隊が、土砂崩れや洪水の続発に備えてがれきの撤去に追われた。 広東省の省都・広州では、数百便の航空機が欠航または遅延となった。道路が冠水し、蚊が媒介するチクングニア熱の流行をさらに悪化させる恐れが出ている。 このような降雨は、中国南部ではこの時期によく見られる。しかし、熱帯低気圧の影響で、7月は特に雨量が増加した。 6月より前は熱帯低気圧の活動はほとんどなかったが、先週には太平洋の西側で3つの台風が発生した。 首都・北京の山間部では7月末に洪水が起き、高齢者施設の入居者31人を含む数十人が死亡した。 山間部では豪雨で土砂崩れが発生しやすく、、人口密集地では突発的な鉄砲水が住民を突然襲うことが多い。 インド北部ウッタラカンド州では、5日の局地的な豪雨で鉄砲水が発生し、100人以上が行方不明となった。 パキスタンでは6月以降、雨に関連する事故で合わせて300人近くが死亡している。うち100人以上は子供だった。また、洪水で数百もの住宅や建物が破壊された。英支援団体「セーブ・ザ・チルドレン」によると、パンジャブ州では学校の少なくとも4分の1が部分的または完全に損壊したという。 5日には香港でも350ミリを超える雨が降った。8月としては、1884年以来最も雨量の多い日だったと、報じられている。 香港の年間降水量は約2400mmで、その大半は6月から8月の夏季に集中している。
(追加取材: ケリー・アン)
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異常気象の温暖化で、熱波と局地的豪雨が常態化でしょうか。

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