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先進国最悪の長期債務を抱える中、一般会計が122兆円を超える過去最大の2026年度予算が成立した。 高市早苗政権の衆院審議での目に余る失態が、国会の混乱を招き、歳出見直しの議論が進まなかったのは極めて残念だ。 イラン危機対応や、懸念の多い法案の審議が中心となる後半国会に向け、与野党とも「熟議」への体制を立て直す必要がある。 高市氏が「責任ある積極財政」を掲げて編成した予算は、需要を拡大し、物価高を助長しかねない。財源の不確かな新規事業も目立ち、さらなる国債の増発につながるリスクがある。 それが通貨の価値や信認を損ない、円安と債券安に拍車をかければ、やはり物価を押し上げる。 予算審議では、こうした視点から巨額予算の精査や、財政規律を担保する議論が期待された。 だが、高市氏は正面から質問に答えず、他の閣僚に肩代わりさせる場面も目に付いた。 特に効果に疑念を残したのが、首相肝いりの「危機管理・成長投資」だろう。人工知能やバイオなどの17分野から、61製品・技術を選んだというが、総花の域を出ない。過去の政権が「成長戦略」の名のもと、ばらまきで借金を積み増した二の舞を憂慮する。 初めて9兆円を超えた防衛費では、反撃能力(敵基地攻撃能力)となる長射程ミサイル、攻撃用無人機の取得などを盛り込み、専守防衛を踏み越える懸念は高まるばかりである。財源として所得税増税の来年1月開始を決めたが、高市氏は一層の増額を公言する。どう賄うつもりなのか。 先の日米首脳会談のやりとりを含め、野党の疑問に、政府答弁は機密を盾に誠実さを欠いた。 高校授業料の無償化やガソリン減税も、税収の上振れや国債頼りは否めず、安定財源は見えない。 高市氏が衆院解散・総選挙を不意打ちし、予算案の提出は約1カ月遅れた。それを正当化しようと年度内成立に固執し、与党が数に任せて審議時間を大幅削減した。 衆院通過は押し切ったが、少数与党の参院で野党の巻き返しを受け、土壇場で暫定予算を組む迷走ぶりをさらした。 今後は、首相が「国論を二分するテーマ」という「国家情報会議」創設法案などの審議が待つ。 これ以上の立法府軽視は、独善にほかならない。国力を弱める分断を避け、山積する切実な課題にこそ向き合うべきである。
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丁寧な国会運営を行わず、国会軽視では、国民の知る権利の無視で、国民主権への背信でしょう。
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