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28日に成立した2023年度予算は、防衛費の大幅増により、過去最大の114兆円台となった。24年度以降も防衛費は増額が続き、さらに少子化対策予算の急増も見込まれる。財政健全化は遠のくばかりだ。
23年度予算の歳出総額は、前年度当初に比べて6・7兆円も増えた。「防衛力の抜本的な強化」を掲げ、防衛費が26・3%増の6・8兆円に膨らんだことが主因だ。一般歳出で公共事業費や文教科学振興費を上回り、社会保障費に次ぐ2番目の規模になった。政府は防衛費と関係費を27年度に国内総生産(GDP)比2%に引き上げる方針で、今後も歳出増は続く。
災害など不測の事態に備えて数千億円を措置するのが通例だった予備費の巨額化も、財政を圧迫している。当初予算では3年連続で予備費計5・5兆円が計上された。今回は新型コロナウイルス対応だけでなく、物価高対策や「ウクライナ情勢に伴う経済危機」も名目に連なった。
28日には、追加の物価高対策として22年度予算の予備費から2・2兆円を支出したが、エネルギーや食料価格の動向は見通しづらく、今後もさらに支出を迫られる恐れがある。
予備費について、鈴木財務相は成立後の記者会見で、「効率的に使われているのか、不断の見直しをしなければならない」と述べた。
今後は、岸田首相が掲げる「次元の異なる少子化対策」の実現に必要な予算がどれだけ膨らむかが注目される。政府は月末に施策のたたき台を公表する。児童手当の所得制限撤廃や対象年齢の引き上げのほか、育児休業時の給付金拡充などが検討されている。いずれも巨額の予算が必要で、少なくとも数兆円の安定財源が必要とみられる。
防衛費の財源をめぐり、政府は昨年末、法人税や所得税、たばこ税を増税する方針を決めたが、増税時期は決定を先送りした。自民党内では増税への反発がくすぶっており、少子化対策の財源確保も難航しそうだ。
23年度予算では、新規の国債(国の借金)発行額が35・6兆円に及んだ。歳出の3分の1を借金に依存する厳しい財政状況が続く。
一橋大の佐藤主光教授は、「予算が過去最大に膨らんだのは、必要なものを計上した結果なのか。危機対応を漫然と続けるのではなく、成長に資する取り組みを進めるべきだ」と指摘している。
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1/3が借金は異常でしょう。大増税への一歩でしょうか。
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