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政府の新型コロナウイルス禍を受けた観光業界などの支援策「Go To トラベル」をめぐる対応がぐらついている。感染が拡大している札幌、大阪両市を事業の対象外とする措置では、専門家に迫られ、短期間で小出しに見直しを繰り返す対応になった。政府内では経済と感染対策の間で、重点の置き方をめぐる不協和音も聞こえてくる。 「一昨日、新型コロナ分科会から医療が切迫しているという強い危機感のもとに、3週間に集中して感染拡大地域で早期に強い措置を講じることが必要との提言をいただいた」。27日、官邸で開かれた政府の新型コロナ対策本部で菅義偉首相はこう述べ、トラベル事業で札幌、大阪両市の出発分の利用自粛を呼び掛ける措置を打ち出した。 政府はその3日前、両市を目的地とする旅行を事業対象外としたばかりだった。それでもコロナ分科会は不十分とみて、25日には新たな提言で出発分の除外検討も求めていた。 これに対し、首相は難色を示した。首相がトラベル事業にこだわるのは、コロナ禍で傷んだ地方経済の下支えに不可欠だとの確信があるからだ。政府高官は「何が何でも命を守るなら強い措置を取るのも一つだ。しかし経済が回らないと国はやっていけない」と語る。事業が感染拡大の主因になったというエビデンス(証拠)はないとする専門家の見解も事業見直しをためらわせる。 しかし、政府は最終的に「自粛要請」という形で、事業見直しを求める分科会の提言を受け入れた。政府高官は「われわれより知見のある人たちの判断は受け入れざるを得ない」と苦衷をにじませる。 ただ、専門家の意見をどこまで聞き入れるべきか、政府内には温度差もある。 「二人三脚で歩んできた。尾身先生がいなければできない対策がたくさんあった」 西村康稔経済再生担当相は27日の会見で、分科会の尾身茂会長に強い信頼を表明した。そんな西村氏について、政府高官は「だんだんお医者さんになってきた。医者と政治家は違う」と述べ、苦々しげな表情を浮かべた。
次の焦点は東京都の扱いだ。政府は現時点で事業の対象外とはしない判断を維持しているが、感染拡大が続けば分科会の見直し圧力が強まり、政府は再び難しい判断を迫られる可能性がある。(千葉倫之、児玉佳子)
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政治的な駆け引きで、いまの状況では、保身のため小池知事はGoto見直しを要請するだろう。 見直ししないで感染拡大すれば、知事の責任になるだろう。
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