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安倍晋三前政権に続き、菅義偉政権の国会軽視の姿勢が際立っている。「桜を見る会」前日の夕食会の費用を安倍氏側が補填(ほてん)した疑惑を巡る過去の国会質疑で、安倍氏が事実と異なる答弁を少なくとも33回したことが判明した。だが首相は再調査を拒否し、与党は安倍氏の証人喚問に応じない。説明責任をないがしろにする両政権の負の継承に、専門家から国会の監視機能を問う声が上がっている。 衆院調査局の調べによると、安倍氏が2019年の臨時国会と20年の通常国会で、費用の補填を否定したり「(会場のホテル発行の)明細書はない」と説明したりした答弁は33回に上った。だが明細書は存在したとされ、野党は虚偽答弁との批判を強めている。 不正確な答弁で、国会論戦をやり過ごそうとする手法は、前政権で繰り返されてきた。学校法人「森友学園」への国有地売却問題では、17年2月に当時の安倍首相が国会で「私や妻が関係していれば、首相も国会議員も辞める」と発言。その発言の直後から財務省が公文書を改ざんし、安倍氏の妻昭恵氏に関わる記述を削除していたことが発覚した。衆院調査局によると、17~18年の森友問題を巡る国会質疑で、実際には存在する資料を「廃棄した」と主張するなど事実と異なる政府答弁が139回に上った。
安倍政権以降急増
説明そのものを拒む対応も目立つ。20年の通常国会で批判が集まった東京高検検事長の定年延長問題では当時の森雅子法相が「個別の人事」を理由に答弁拒否を連発。菅首相も今月25日の衆参両院の予算委員会で、安倍氏の虚偽答弁が疑われた夕食会の問題について「捜査中」を理由に「答えを控える」と繰り返した。 立命館大の桜井啓太准教授が国会会議録検索システムで1970年からの国会で出た「お答えを差し控える」との答弁数を調べたところ、過去は年100件前後だったのが第2次安倍政権以降に急増し、17~19年は年500件を超えた。
「トランプ氏と共通」
国会軽視の背景には官邸が人事権を通じて与党や国会運営への影響力を強め、野党の要求も無視されがちとなる「1強体制」がある。 北大大学院の吉田徹教授(比較政治)は、安倍氏や官房長官だった首相は疑惑が出ても与党の「数の力」によって、その場しのぎで国会を乗り切ってきたとした上で「その手法が『成功体験』になったのではないか」とみる。「説明を尽くすよりも真偽不明の情報を垂れ流して対立をあおるトランプ米大統領の姿勢とも共通する」と分析する。
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国権の最高機関で、国民の信頼と期待に応えなければならない国会議員の虚偽答弁は許されず、現政権の国会軽視=国民に対する裏切りも許してはいけない。
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