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2018年9月4日火曜日

サバブームに続きイワシ? 缶詰市場規模が7割急増

 サバブームに続き、イワシ缶詰市場が活気を帯びてきた。マルハニチロ(伊藤滋社長)によると、イワシ缶詰市場(インテージ調べ)は4~7月期に前年同期比65%増と大きく伸びた。サバ缶の52%増を増加率で上回るなど好調に推移した。クックパッドなど検索サイトでも、「イワシ缶詰」の検索数が上昇中。料理素材としてもイワシ缶詰が脚光を浴びている。
 
 サバ缶はDHA、EPAなどの栄養成分に注目が集まり、需要が伸びている。日本缶詰びん詰レトルト食品協会(日缶協、東京都千代田区)が発表した国内缶びん詰・レトルト食品生産量によると、2017年のサバ缶詰は5%増、中でも水煮が16%増と伸長。販売急増からスーパーなどの量販店ではサバ缶詰が品薄となっている店もある。また、マルハニチロでは、ブームやサバ自体の輸出増加などから原料価格が上昇したため、1日から値上げに踏み切った。

 一方マイワシは近年道東を中心に好漁が続く。漁業情報サービスセンターによると、全国主要漁場の8月末までのマイワシ累計水揚量は22万7092トン。前年同期よりは5%少ないものの、過去5年平均と比べると5割多い。

 文科省が発表しているデータによると、DHA含有はサバ(水煮缶詰)が100グラム当たり1300ミリグラム、マイワシ(同)が1200ミリグラムとサバにわずかに及ばばない。ただ、EPAの含有量はサバが930ミリグラムに対し、マイワシは1200ミリグラムと3割多い。

 マルハニチロによると、同社の「どん帳」シリーズの栄養成分を比較すると「いわし塩焼」は「さば塩焼」よりDHAやEPAを多く含むという。サバと同等以上に栄養豊富なマイワシは、今後さらに注目を集める可能性がある。

 水産研究・教育機構によると、マイワシ太平洋系群の資源量は増加傾向にある。産地では今後も漁獲増が期待されている。ただ現状は多くが養殖魚の餌として安値で取引されており、付加価値化が課題となっている。今後イワシ缶詰がブームとなり原料として高値で取引されるようになれば、漁業者の収益向上にもつながりそうだ。
[みなと新聞2018年9月4日付の記事を再構成]

 お手軽に食べられる魚の缶詰は、現代の食生活に合っているのでしょうか。

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