プーチン氏は安倍首相も出席した東方経済フォーラムの全体会合で、平和条約を「前提条件なしで年内に締結する」という趣旨を述べた。一般に平和条約は国境線の画定を伴うものであり、「前提条件なしで平和条約」の真意は必ずしも判然としない。
プーチン氏は「領土問題を解決するのに快適な環境をつくらねばならない」と述べており、何らかの日露条約が「環境づくり」に資すると考えているようだ。
領土問題についてプーチン氏は「道義的・政治的性格のもので、両国民にとって大変敏感な問題だ。慎重に取り組まなくてはならない」と述べた。
プーチン氏が「条約締結」に言及した背景には、経済低迷から脱却する道筋を描けず、日本との「経済協力」も期待したように進んでいない事情がある。
ロシアの国民1人当たりの国内総生産(GDP)は過去10年間で7.5%増にとどまり、都市部を中心にプーチン政権への不満がくすぶっている。政権が課題とする極東地域の開発も進まず、中国の経済的存在感ばかりが増している。
日露の条約締結で友好ムードを演出し、日本からの投資や技術協力を引き出したいのがロシアの本音だ。
ロシアのウクライナ介入をめぐって対露制裁を科してきた米国は4月、大統領選干渉やシリア問題を理由に対露追加制裁を発動。ブラックリストに載った企業や人との取引を禁じる厳しい内容で、露経済への打撃は小さくない。
ロシアは、日本が米国製の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入を計画していることにも強く反発している。
(産経新聞)
経済援助の見返りで、北方領土返還しかないと思います。
昔、東ドイツ返還でお金を払ったように。
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