政府主催の全国都道府県知事会議が25日、首相官邸で開かれた。全国知事会長の村井嘉浩宮城県知事が石破茂首相に対し、国民民主党が主導する減税策「103万円の壁」の引き上げへの懸念を示した。国民民主としては非課税枠を拡大して手取りを増やし、地方経済の活性化にもつなげる狙いがあるが、国・地方で年約7兆6000億円の減収になるとされ、地方側の不安はぬぐえていない。
■財源「国がちゃんと考えろ」
村井氏は会議で「地方の財源に大きな穴が開いては意味がない。行政サービスが落ちる」と訴え、「103万円の壁」を引き上げる場合は減収分の財源も恒久的に手当てすべきだと主張した。これに対し、首相は「必要な一般財源総額は確保いたしていく」と引き取り、理解を求めた。
会議に先立って開かれた知事らの会合では鳥取県の平井伸治知事が「財源は『国がちゃんと考えろ』と言いたい」と批判した。また、国民民主の衆院議員だった和歌山県の岸本周平知事は25日の記者会見で「要求だけして、財源は与党に任すと言っている」として〝古巣〟に苦言を呈した。
■国民民主の支持率上昇
政府は国民民主の主張通り「103万円の壁」を引き上げた場合、地方自治体に入る個人住民税が4兆円程度減少すると試算している。
ただ、国民民主は先の衆院選で公示前から議席を4倍に増やし、報道各社の世論調査などでも支持率の上昇傾向が続く。衆院で過半数割れしている自民、公明両党は国民民主の主張を受け入れなければ政権運営がままならず、政府が22日に閣議決定した経済対策にも「103万円の壁」の引き上げ方針を明記した。
■玉木代表は軌道修正
一方、知事らの相次ぐ反発を受け、国民民主側の姿勢にも変化が出ている。玉木雄一郎代表は当初、必要な財源の捻出は「政府・与党側の責任」との立場だったが、19日の記者会見では「地方財政に悪影響を及ぼしたいとは思っていない」と軌道修正。「全部(政府・与党が)考えろという気持ちはない」と強調し、財源捻出に向けた案を出していく意向を示した。
22日には古川元久税調会長らが国会内で自治体の税減収への対応策の勉強会を実施した。国民民主の幹部の一人は「いくらでもやり方はある」と語り、財源捻出に自信を見せる。(永原慎吾)
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国民民主と全国知事会が納得するためには、103万円の大幅引き上げと財源の国補填でしょうか。財源は、地方の歳出見直しや増税(法人税、消費税)、国債発行でしょうか。
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