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米大統領選でトランプ前大統領が勝利し、ウクライナへの軍事支援停止やウクライナに妥協を迫る停戦交渉が現実味を帯びてきた。トランプ氏とロシアのプーチン大統領が対話に前向きな姿勢を見せる中、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は焦りを募らせている。
ゼレンスキー氏は7日、ハンガリーの首都ブダペストで行われた「欧州政治共同体」(EPC)首脳会議後の記者会見で、「信頼できる明確で現実的な安全の保証がない中で、停戦の話をするのは危険だ。ウクライナの占領を続け、独立と主権を破壊するための地ならしでしかない」と述べた。トランプ氏が意欲を示しているプーチン氏との交渉への警戒感をあらわにした。
ロシアに国土の約2割を占領されているウクライナは、占領の固定化につながる「戦闘の凍結」には反対だ。停戦後、ロシアの再侵攻を防ぐための「安全の保証」も米欧に求めている。
トランプ氏はウクライナへの軍事支援に否定的で、当選後すぐに和平を実現させると根拠なしに主張してきたが、具体案は語っていない。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは6日、トランプ氏の政権移行チームがウクライナの和平について、〈1〉現在の前線に沿って非武装地帯を設ける〈2〉ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を少なくとも20年間認めない代わりとして、米国は軍事支援を継続する――という案が検討されていると報じた。バンス次期副大統領も9月、非武装地帯の設定とウクライナの「中立化」を主張した。
こうした案は、ウクライナ東・南部4州からのウクライナ軍の完全撤退やウクライナのNATO加盟断念を求めるロシアの主張に近い。
一方、新政権で再び閣僚に就く可能性が取りざたされているポンペオ前国務長官は、NATOへの早期加盟を支持する立場だ。欧州の負担を増やして支援を継続し、対露制裁を強化した上で交渉することを提案している。
トランプ氏が新政権で実際にどのような対応をとるかは見通せない。トランプ氏の当選後、ゼレンスキー氏らウクライナ政府高官はこぞって、トランプ氏が1期目に多用した「力による平和」という言葉を使い、トランプ政権への期待を示した。まずは良好な関係を築き、トランプ氏の翻意を促す狙いのようだ。
ただ、ウクライナ抜きの和平交渉はせず、必要な限り支援するとしてきたバイデン政権の方針は転換される公算が大きい。ウクライナが侵略終結に向けて策定した「勝利計画」は、米国の支援が停止となれば前提条件が崩れる。ウクライナの野党議員は6日、「世界はルールに基づく国際秩序からディール(取引)に基づく国際秩序に移行する」とSNSで嘆いた。
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トランプ和平案で停戦となるでしょうか。それとも、いつもの意味のない発言か。
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