自民党と日本維新の会による連立政権が発足する見通しとなったことで、市場では維新が掲げる「副首都構想」がにわかに注目を集めている。20日の東京株式市場では、大阪に拠点を置く鉄道や建設企業などの株価が相次いで上昇した。ただ、副首都構想の実現には単純計算で消費税3%分の単年度税収にも相当する7・5兆円程度の財源が必要だという指摘もある。物価高による国民負担の軽減が喫緊の課題になる中で、関西以外の有権者から幅広い理解を得られるかは不透明だ。
■維新は「相当やり手」
「維新は相当やり手だと思う。副首都構想関連の『大阪銘柄』には期待だ」
大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストはこう述べ、閣外協力でリスクを取らずに公約を実現して支持率の低下を防ぐ維新の「作戦」を評価。副首都構想への期待から、大阪を地盤とする企業の株価上昇が見込めると指摘する。
20日午前には、阪急阪神ホールディングス(HD)が一時4600円をつけ年初来高値を更新、関西に基盤を持つ建設業の浅沼組も一時931円と過去10年間の高値を更新した。関西地銀の池田泉州HDも株価が上昇した。
■国会や省庁を移転か
維新は自民に対し、副首都機能整備法案を来年の通常国会で成立させるよう求めている。9月末にまとめた法案骨子では、目的は東京一極集中を是正し、災害時に首都機能を代替するほか、東京圏とは別の経済圏をつくり、日本の成長を牽引(けんいん)するとした。実現に向けた特例措置として、国から税源を移譲▽首都機能の代替に必要なインフラ整備のための財政措置▽国会や中央省庁の機能の一部移転―を挙げた。
こうした構想にかかるコストについて、維新は明示していない。ただ、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは首都機能移転の費用が参考になると説明。国土交通省の懇談会が示した試算では、東京から他の都市へ国会を中心とした機能を移転するなら4・0兆円、行政機関を半分移転させるなら7・5兆円が必要だとした。
■「相当の費用、避けられず」
大阪への首都機能一部移転が実現した場合、人や企業の過度な集中が新たな弊害を生む恐れがあるほか、大阪の不動産価格を高騰させる可能性もあり、メリットだけでなくデメリットもある。木内氏は「いずれにせよ相当の費用がかかることは避けられず、費用対効果の検討を慎重に行うことが必要だ」と指摘する。
行政機関を半分移転するのに必要な7・5兆円は、消費税収(2025年度は約24兆9000億円見通し、消費税1%当たり約2・5兆円)で単純換算すれば3%分に相当する。高市氏は首相に就任したら真っ先に取り組む課題として物価高対策を挙げるものの、巨額の財源を維新との政策協力で求められれば、肝心かなめの国民の負担軽減がおろそかになる恐れもある。自民と維新の連立政権発足に伴って頭の痛い課題になりそうだ。(田辺裕晶)
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7.5兆円の副首都構想、税金の無駄でしょう。仮に副首都を作るとしても、大阪ではなく、関東圏でしょう。

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