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自民党と日本維新の会が急接近し、首相指名選挙を巡る構図が一変した。自民の高市早苗総裁は、自ら連立政権の発足を視野に入れた政策協議に参加する熱の入れようだが、両党には企業・団体献金の扱いなどでハードルもある。一方、維新と協議を重ねていた立憲民主、国民民主両党は、置き去りの状況に焦りを募らせている。 ◇自ら電話 「高市氏から直接電話をもらい、国にかける熱量を感じた。それで『東京に行きます』となった」 維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は16日のフジテレビ番組で、自民と政策協議で合意した15日の党首会談の経緯をこう説明した。 政策協議は16日に始まった。会場となったのは、国会内の維新の控室。高市氏は、自ら出向くことで最大限の配慮をアピールした。 両党の急接近を水面下で調整したのが、与野党に幅広い人脈を持つ維新の遠藤敬国対委員長だ。遠藤氏は14、15両日、自民の梶山弘志国対委員長と国会近くでひそかに会い、舞台を整えた。 過去に衆院議院運営委員長を務めた高市氏と、国対経験の長い遠藤氏の間にパイプがあり、事前に話を進めたとの証言もある。 維新は16日の両院議員総会で、今後の対応を執行部に一任した。離党者が相次ぐなど動揺が広がる党内には、政権参画が党勢回復の起爆剤になるとの期待がある。本拠地・大阪選出の所属議員は、党が重視する「副首都構想」実現のために「政権入りすべきだ」と前のめりだ。 政策協議では、企業・団体献金の扱いが最大の焦点となる。「全面禁止」を求める維新と、存続を求める自民の溝は深い。自民幹部は「献金廃止は絶対に受け入れられない」と主張。維新関係者も「最低でも規制強化しないと批判される」と強調する。 ただ、維新側には柔軟な姿勢も垣間見える。吉村氏は16日、大阪市内で記者団に「トータルで決断したい」と述べ、献金禁止のみにこだわらない姿勢を明確にした。維新幹部は「自民が受け入れないものにこだわっても前に進まない」と言い切った。 ◇乗り換え 当初、高市氏は連立拡大の相手として国民民主を想定していた。政策面で親和性が高いとの判断からだ。 しかし、公明の連立離脱で状況は一変。国民民主の玉木雄一郎代表は「自民と連立しても過半数にはいかない」とあからさまに距離を取り始めた。この態度に、高市氏側が維新へのアプローチを強めたとみられる。 「玉木氏は信用できない」。自民関係者は、維新側にこう伝えているという。 公明の連立離脱は、自・維協議のハードルを下げた。公明は、大阪の衆院小選挙区で競合。斉藤鉄夫代表は離脱決定の前、維新の政権参加に難色を示していた。 ◇恨み節 「二枚舌みたいな感じで扱われた」。玉木氏は15日夜、自身のユーチューブ番組で、自民と野党の双方と交渉を進める維新に対し、不快感をあらわにした。 野党統一候補を目指す立民の野田佳彦代表も16日のテレビ朝日番組で「野党3党の党首会談後に高市、吉村両氏があそこまで詰めるとは予想していなかった」とうなった。 立民、維新、国民民主3党の幹事長らは16日、国会内で会談したが、自・維協議の開始を受け、予定していた政策の議論を見送った。国民民主の榛葉賀津也幹事長は終了後、野党3党が首相指名選挙でまとまる可能性を記者団に問われ、「今の瞬間は難しい」と認めた。
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企業・団体献金がうやむやでは、国民は納得しないでしょう。副首都構想は、大阪都構想が前提のようで、結局、過去に2回否決された大阪都構想の復活、連動が意図されているのでしょうか。

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