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2020年10月4日日曜日

芦屋に照準で10億円追徴、国税PTが富裕層の監視強化

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 関西屈指の高級住宅街として知られる兵庫・芦屋で、大阪国税局が過去1年間で所得税や贈与税など計約44億9千万円の申告漏れを指摘し、計約10億5千万円の追徴を課していたことがわかった。富裕層への調査は近年、国税当局の最重要課題の一つとされており、管轄する大阪国税局芦屋税務署でも、特別チームを結成し対策を強化。その成果が出た格好だ。(入沢亮輔)  ■全国で763億円  「『パナマ文書』の流出で資産家や大企業などの課税逃れの実態が明らかになったが、資産隠しは巧妙になっている。当然、海外に資産を移転すれば、国税当局は資産の把握が難しくなる」。ある国税OBはこう明かす。  国税庁では、こうした海外への資産隠しや国際的な租税回避行為に対応するため、高額な資産があると認められる個人や法人の調査を強化しており、平成26年に東京、名古屋、大阪の3つの国税局に「富裕層プロジェクトチーム(PT)」を設置し、29年には全国税局に広げた。  ほかにも海外に計5千万円超の資産を保有する個人に「国外財産調書」の提出を義務付ける制度の導入や、世界各国の金融口座情報が自動的に交換される「CRS(共通報告基準)」の運用を始めるなど、これまでさまざまな策を講じてきた。  同庁は富裕層の定義について明らかにしていないが、同庁がまとめた富裕層に対する調査結果によると、令和元年6月までの1年間で、全国で763億円(前年比13・9%増)の申告漏れ所得があり、近畿6府県を所管する大阪国税局でも136億円(同61・9%増)と、いずれも現在の統計が始まった平成21年以降で最高となった。  ■組織横断で対応  企業トップら名だたる名士たちの邸宅が広がる芦屋は、谷崎潤一郎の小説「細雪」の舞台としても知られ、関西随一の高級住宅街だ。所管する大阪国税局芦屋税務署の所得税、相続税、贈与税の税収は、大阪局管内83署でトップクラス。芦屋税務署に加え、多くの富裕層が住むエリアを所管する西宮、豊能両税務署などでは、ここ数年、独自に「署富裕層PT」を立ち上げた。令和元年7月からは、芦屋税務署では、署長をトップとする30人態勢で調査にあたり、富裕層に対する監視の目を強化してきた。  もとより国税当局では、個人所得や相続・贈与された資産、法人所得について部署が異なり、財務省組織規則が定める調査権限も異なる、“縦割り”の組織だ。しかし、PTでは、「所得が高い富裕層は、多くの資産を相続し国内外で保有しているケースが多い」(国税OB)ことから、各部署にまたがる横断的組織に再編。収集した資料などの情報を一元的に管理し、各部署のノウハウを活用しやすい態勢を整えた。  その結果、芦屋税務署では、2年6月までの1年間で、相続、贈与を受けた資産を海外に保有していたり、海外の銀行から得た利子や配当を得ていたりするなどの事実を明らかにし、56人に対し所得税約19億円、相続税と贈与税について37件約24億4千万円の申告漏れを指摘。法人税を加えると、合計で申告漏れ額は約44億9千万円となり、追徴額も10億5千万円を超えた。中には明確に隠蔽(いんぺい)の意図がある悪質な案件もあったという。  国税OBは「国税当局はこれで終わることなく、引き続き富裕層を重点的に調査していくだろう」と話している。

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 金持ち喧嘩せずではなく、納税意識が低い富裕層が多いということだろうか。

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