安倍首相は18日、都内の私邸で公明党の山口那津男代表、自民党の二階俊博幹事長と相次いで会談し、総選挙に向けた対応を協議。国連総会に出席するため米ニューヨークに向けて政府専用機で出発した。羽田空港で記者団には「解散について、いちいちお答えすることは差し控えるが、帰国後に判断したい」と述べ、22日以降に最終判断する考えを示した。
首相は総選挙公約の目玉として「人づくり革命」を打ち出す方針。大学などの高等教育を含めた教育無償化や、高齢者中心の社会保障を低所得者・若年者に向ける「全世代型社会保障」の実現を掲げ、その財源として消費増税の引き上げ分を充てると訴えたい考えだ。
19年10月から消費税の税率を8%から10%に引き上げることによる税収増は、5兆円程度と見込まれる。大半は国の借金の穴埋めにあてる計画だった。幼児教育や保育の無償化には、対象を3~5歳児に絞っても年7千億円超。大学など高等教育の無償化まで踏み込んだ場合、実現には4兆円以上の財源が必要とされる。使い道の変更により財政再建はいっそう遠のき、政府が目標に掲げる「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)」の20年度の黒字化はさらに困難になる。選挙戦でその妥当性が問われそうだ。
しかも「人づくり革命」の有識者会議は今月11日に発足したばかりで、財源について表だった議論もしていない。森友・加計学園での追及が必至の臨時国会の冒頭で解散することへの批判が出る中で、公約明記は、解散の「理由付け」を図る意味合いが大きい。
消費増税の使い道変更は、教育や社会保障の充実のため負担を分かち合う考え方を示してきた民進党の前原誠司代表の訴えとも重なる。前原氏は18日、「野党の考え方とかぶせてきて、争点隠しをしているのか」と都内で記者団に語った。
(朝日新聞デジタル)
自民党が大勝すると、森友・加計問題の幕引きと憲法改正の流れだろう。
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