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2023年度補正予算案を審議する衆院予算委員会で、25年大阪・関西万博の先行きに対する懸念の声が相次いでいる。22日の審議では、立憲民主党が会場建設費の上振れ問題などを追及した。岸田文雄首相は「世界が内向きになっている時代に、世界中から人々が集まって共に人類の未来を考える機会だ」などと開催の意義を繰り返し訴え、理解を求めている。 ◇首相「さらなる増額を認めるつもりはない」 「空飛ぶクルマ、建設費の度重なる増額、リング(大屋根)。どれも大風呂敷を掲げて無駄遣いの温床になっている」。立憲の梅谷守氏は予算委で万博の「目玉」事業を取り上げ、その実現性や費用の問題をただした。 「空飛ぶクルマ」は万博で運航を予定するが、乗客を乗せた「商用運航」に向けた機体量産が開幕に間に合わない見通しとなっている。これについて問われた首相は「空飛ぶクルマをアピールできるよう、運航管理技術の開発や機体安全性の確保、関連制度の整備を官民で協力しなければならない」と強調したが、具体的な見通しについては語らなかった。 会場建設費は、物価高騰などにより当初計画(1250億円)の1・9倍の最大2350億円に上振れしている。首相は20日の衆院本会議で「予期できない物価上昇に対応するための金額も見積もっていることから、さらなる増額は想定していない」と明言。この日は梅谷氏が「想定外と言っていくらでも増額の余地がある」と迫ったのに対し、「さらなる増額を認めるつもりはない」と踏み込んだ。建設費の増額を巡っては「当初計画が相当ずさんだったのではないか」(公明党の伊佐進一氏)と与党内からも懸念の声が上がっている。 ◇万博巡り、透ける各党の構図 万博への「逆風」が強まる背景には、次期衆院選をにらんだ各党間の構図も透ける。 万博は、大阪を地盤とする日本維新の会が前面に立って推進する。維新の奥下剛光氏は22日の予算委で「我が国の輝かしい未来に向けた先行投資だ」と意義を改めて訴えた。これに対し立憲は、岸田政権と維新が推進する万博を「絶好の攻撃材料」(中堅議員)と位置づける。先の通常国会の途中で維新との国会共闘を解消しており、立憲関係者は「維新に配慮する必要はなくなった」と息巻く。 公明は「大阪都構想」で維新と協力関係を築き、関西で選挙区のすみ分けを行っていたが、勢力拡大を目指す維新が原則全選挙区で候補を擁立する方針を示したことで、次期衆院選では「ガチンコ対決」(公明関係者)となる見通しだ。このため、与党として万博そのものへの理解は示しつつ、大阪府の吉村洋文知事(維新共同代表)らが当事者としてけん引する計画の危うさを指摘し、対決姿勢を鮮明にする戦略とみられる。【畠山嵩、樋口淳也】
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プレハブと日よけなしで、会場建設費を抑え、税金投入は最低限にすべきでしょう。
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