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所得税減税を目玉に据えた総合経済対策が2日、閣議決定された。岸田文雄首相が「切り札」として先月打ち出した減税は内閣支持率の回復につながっておらず、当ては外れた格好。首相の指導力を疑問視する声も聞こえており、与党内では早期の衆院解散・総選挙は困難との見方が広がる。 ◇ワンマン岸田 「物価高対策、経済重視の決意を、経済対策として決定した」。首相は2日、閣議決定後の記者会見で、こうアピールした。 経済対策にはガソリン代やガス・電気料金の負担軽減延長や半導体分野の投資促進策も並んだ。ただ、首相が9月25日に「税収増を国民に適切に還元する」と表明して以降、与党幹部は所得税減税に言及。経済対策を取りまとめる過程で関心は減税に集中し、他の政策は脇に追いやられた。 首相周辺は「経済対策に減税を盛り込んだのは画期的だ」と胸を張る。しかし、自民党の閣僚経験者は「早期に還元するには給付が望ましい」と指摘し、中堅は「党で議論していないので善しあしを判断しようがない」と漏らす。官邸が党側の意向に耳を貸す気配はなく、党関係者は「首相はワンマンになっている」と不満をあらわにした。 首相としては、減税を含む経済対策で支持率が上向かなかったのは誤算だ。党ベテランは「減税しても防衛増税が待っていると国民に見透かされている」と切り捨てた。 首相の「説明力」への不満も募る。1日までの衆参予算委員会で、首相は減税を選んだ理由を繰り返し説いたが、公明党幹部は「国民に意図が伝わっていない」といらだちを見せる。 首相は、来年に賃上げが物価上昇に追い付くことを目指すと強調。国会答弁では「1回で終われるよう経済を盛り上げていきたい」と述べ、1年限りの減税を示唆した。賃上げの状況次第で見直しを迫られる可能性もあり、達成できなかった場合の政権運営への影響は避けられそうにない。 ◇「首相に解散させない」 首相が与党幹部らに所得減税を指示したのは10月20日。与党関係者は「勝負を懸けるのだろうと感じた」と振り返る。その後の展開は首相の思惑通りに進んでいないのが実情だ。 全勝を目指した22日投開票の衆参2補欠選挙は「1勝1敗」に終わった。不祥事で政務三役2人が相次ぎ辞任する事態も重なり、政権に痛手となった。 2023年度補正予算案は11月20日ごろに国会に提出され、同月下旬以降に成立する見込み。野党は補正予算審議で国会答弁に不安が残る武見敬三厚生労働相や加藤鮎子こども政策担当相らに照準を定めて追及する方針だ。 「岸田離れ」が加速する中、自民党内からは「首相に解散はできない」(派閥幹部)、「解散しようとしたら首相交代だ」(中堅)との声も出始めた。党関係者は「求心力は低下の一途だろう。来秋の党総裁選まで持つのか」と漏らした。
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国民に不人気で岸田離れ加速でしょうか。
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