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高齢者はさらに生活が苦しくなりそうだ。来年度の年金支給額が、また目減りしそうなのだ。 16日付の日経新聞電子版が、<年金額2年連続で抑制 24年度 0.4%分目減り試算>と報じている。 政府は「マクロ経済スライド」を発動する方針だという。マクロ経済スライドとは、物価や賃金が伸びた場合、年金支給額も増えるが、増額幅を物価や賃金の伸びよりも小さくするという制度だ。 厚生年金のモデルケース(67歳以下の夫婦2人の場合、月22万4482円)を当てはめると、24年度の支給額は23万319円になるそうだ。本来の支給額は23万1216円なのに、マクロ経済スライドが発動されることで、年間、約1万770円も支給額を減らされるという。マクロ経済スライドの発動は2年連続だ。今年度、3年ぶりに発動された。日経電子版によると、年金支給額の抑制は27年度支給分までつづくという。 しかし、ただでさえ年金収入が少ない高齢者は、2年もつづく物価高に苦しんでいるのに、物価上昇に追いつかない年金額改定では、さらに生活は苦しくなってしまう。 「マクロ経済スライド」発動による年金支給額の抑制は、現役世代にとっても他人事でない。日本経済全体に悪影響を与える恐れがあるからだ。 ■日本経済全体の冷え込みにも 7~9月期のGDPは、物価高によって個人消費が抑えられ、前期比年率2.1%のマイナスだった。物価に左右される個人消費は、2四半期連続で落ち込んだ。少子高齢化が進んだ日本では、高齢者のボリュームが大きいため、年金生活者の消費が落ち込むと、日本経済全体が冷え込んでしまう恐れがある。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。 「年金生活者にとって物価高は、ダブルパンチです。マクロ経済スライドの発動によって年金支給額が目減りするうえ、頑張ってためた貯金も目減りしてしまう。高齢者の生活を守るためには、まず物価高を止めることです。物価の抑制は、現役世代にもプラスのはずです」 岸田首相は「インフレ率を超える賃上げの実現」を訴えているはずだ。なのに、年金支給額はインフレ率を下回るのだから、これでは庶民の暮らしは良くならないのではないか。
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年金制度の破綻先送りの弊害でしょうか。
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