総務省幹部への接待問題を巡り、同省幹部が、国会答弁を撤回する例が相次いでいる。今回の問題では、当初の答弁で否定した内容を週刊誌が報道すると、一転して「事実だった」と認める展開が続く。答弁内容の信頼性が揺らぎ、「国会軽視」につながりかねない事態について、与野党から批判の声が出ている。
「週刊誌報道を後追いするような国会における虚偽答弁が続いているから、問題がさらに拡大している。先日の予算委員会は虚偽答弁ではないか」
立憲民主党の木戸口英司氏は8日の参院予算委で、総務省幹部の答弁の信ぴょう性に疑念を突きつけた。
具体的には、谷脇康彦総務審議官が3月3日に参院予算委で行った答弁だ。谷脇氏はこの日、放送関連会社「東北新社」からの接待以外には「国家公務員倫理法に違反する会食はない」と明言したが、翌4日発売の週刊文春でNTTとの会食を報じられると、「通信事業者と会食することはあった」と答弁を修正した。
情報流通行政局長だった秋本芳徳氏は2月10日の衆院予算委で、東北新社の接待で、放送業界の話題について「記憶がない」と答えた。しかし、週刊文春の報道後、業界の話題について「今となっては発言はあったのだろう」と答えた。
こうした答弁について、自民党ベテランは、「飲食単価が高額な場合でも、『自分も負担している』という甘えの意識があったのではないか」と解説する。現在のルールでは、利害関係者との会食は禁止されていないが、自己負担額が不十分な場合には「接待」を受けたことになる。
国会の質問と答弁に関する著作のある千葉商科大の田中信一郎准教授(政治学)は、一連の答弁について「国会答弁でうそをつかないという、官僚の職業的な良心に頼っていた部分が破られた」とみる。近年では、森友、加計両学園に絡む問題で、財務省や経済産業省の幹部による答弁が、後に虚偽と判明したケースもある。こうした前例が積み重なった結果、「(虚偽答弁の)ハードルが下がった」(田中氏)というわけだ。
自民党の二階幹事長は8日の記者会見で、「虚偽答弁は許されるものではない。総務省は大いに反省するべきだ」と苦言を呈した。同党内からは、「虚偽答弁で組織防衛を図ろうとしたのだろうが、結果的に傷口を広げただけだ」(中堅)と突き放す声が出ている。
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虚偽答弁する総務省のお役人のレベル・モラルの低さに呆れます。
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