丸川珠代五輪担当相が自民党の保守系国会議員有志とともに、選択的夫婦別姓の実現を求める意見書採択を阻止するよう文書で地方議員に呼び掛けたことが分かり、反発を招いている。 【閣僚名簿】丸川 珠代(まるかわ たまよ)氏 ジェンダー平等は五輪の理念の一つで、丸川氏は男女共同参画担当相も務める。適格性を問う声は党派を超えて広がりを見せる。 文書は1月30日付で、丸川氏のほか高市早苗前総務相や古屋圭司元国家公安委員長ら衆参50人の連名。別姓導入により「家族単位の社会制度の崩壊を招く」などと指摘している。関係者によると、都道府県議会議長のうち自民党系の約40人に送られた。 丸川氏の2月18日の担当相就任前の出来事だが、同氏は24日の記者会見で「(署名は)個人の信念だ」と発言。同日の衆院内閣委員会で野党議員から別姓実現を求められたが、「国民が深い議論をできる環境を後押ししていくことが私の役目だ」と述べるにとどめた。 今回の担当相起用は東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長が女性蔑視発言で引責辞任したのが始まり。後任に橋本聖子氏が就き、同氏が務めていた担当相ポストが丸川氏に回ってきた。 こうした経緯もあり、立憲民主党の枝野幸男代表は26日の会見で「(菅義偉首相の)任命責任が問われる。自民党では選択的夫婦別姓は不可能だと裏付けられた」と強調。各党女性議員が男女格差をめぐり討論した28日のNHK番組でも、共産党の田村智子政策委員長らから「足を引っ張ることはやめるべきだ。(丸川氏の)責任は極めて重い」などの声が上がった。 選択的夫婦別姓論者である自民党の野田聖子幹事長代行は25日のインターネット番組で「私たちは個人の思いで国会議員になっているわけではなく代弁者だ」と丸川氏にクギを刺し、同党幹部も「保守層に良い顔をしたいのだろうが、失うものの方が大きい」と不快感を示した。
当の地方議員にも「不当な圧力」として反発が出ている。文書を受け取った一人の田村琢実埼玉県議会議長は自身のブログで「不愉快だ。選択的夫婦別姓に対する理解不足にへきえきする」とコメントした。
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夫婦別姓で、なぜ、家族単位の社会制度の崩壊を招くのでしょうか。
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