「経済対策最優先」は何だったのか――。高市早苗首相が19日夕、衆院を23日に解散すると表明した。政治家たちが衆院選に掛かり切りになるため、今後3週間余りは政治空白が生まれることになる。物価高などに苦しむ有権者たちの目に、この解散はどう映るのか。
◇無料弁当に長蛇の列
解散表明前日の18日午後、インバウンド(訪日外国人)でにぎわう東京・浅草。その騒がしさをよそに、近くの公園では無料配布の弁当を受け取ろうと、150人ほどの行列ができていた。生活困窮者らを支援する民間のサービスだ。
「もともと生活は楽じゃなかったけど、物価が上がってさらに苦しい。少しでも生活の足しになるならと思って……」
東京都台東区に住む女性(52)はこの弁当配布に初めて足を運んだ。シングルマザーで中学2年の長女と2人で暮らす。ビル清掃員のアルバイトとして働き、月収は16万円ほど。毎月の家賃で約6万円、食費と借金返済にそれぞれ約2万円がかかり、医療費や携帯電話代などを支払うと手元に現金はほとんど残らない。
◇「庶民の生活考えていない」
2025年参院選で、自民党は全国民に2万円を配ることを公約に掲げた。当時の石破茂首相は、減税よりもスピーディーに国民の懐を直接潤せる給付金のメリットを説いたうえで、こう訴えていた。「今年中には行き渡るようにします」
だが石破政権は倒れ、給付金は実現しなかった。次に登場した高市首相は就任時の記者会見で「経済対策最優先で取り組む」と強調した。前出の女性は高市首相に期待していたという。だが、それも突然の解散でしぼんだ。
「高市さんは『働いて、働いて、働いて』と言っていた。でも、私たちの暮らしのために働く前に解散してしまった。政治家は庶民の生活を考えていないんですね」。衆院選では投票先はおろか、投票に行くかどうかも決めかねている。
◇「親戚にお年玉出せない」
東京都墨田区で1人暮らしをする男性(58)は長距離トラックのドライバーとして働いてきたが、体調不良から心身のバランスを崩して仕事を休みがちになり、25年10月に退職した。その後は貯蓄を取り崩して生活しており、この日の弁当配布に並んだ。
正月は、近くに住む兄弟の家族と祝うのが恒例だ。しかし、今年は「用事がある」と告げ、一人で部屋に閉じこもった。「恥ずかしい話だが、親戚の子にあげるお年玉が出せない。正月を祝う気分じゃありませんでした」
衆院選では、自民党や中道改革連合が食料品にかかる消費税率をゼロにすることを公約に掲げると報道されている。男性はこれに怒りを隠さない。「与党も野党も『消費税ゼロ』を掲げるなら、いますぐやればいいでしょう。なぜ、選挙を経ないとやれないんでしょうか。与党も野党も自分たちのことばかりで、苦しい生活をしている私たちのことを見ていない」。今回の選挙については「じっくりと公約を見比べて、本当に生活を楽にしてくれる候補に投票したい」と話した。
この日、弁当を配布した一般社団法人「あじいる」によると、用意した170食は一食も残らずに配られた。フードバンクやカンパを活用して食材を集め、手作りしたものだ。今川篤子代表(62)は「苦しい生活をしている人は本当に多い。政治家には政局や政争で動くのではなく、足元に目を向けて、社会のために働いてほしい」と話した。【木村敦彦】
***************************************************************
年間大賞「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」、働かない政治家の虚言で全く意味がないでしょう。

0 件のコメント:
コメントを投稿