399日ぶりの白星だ
日本ハムの上沢直之投手(26)が、きょう14日のロッテ戦(札幌ドーム)に先発する。左膝の骨折を乗り越え、6月30日のソフトバンク戦で1軍マウンドに復帰。5回1失点の好投で復活を強く印象づけた。中13日で臨む今回は399日ぶりの白星を目指す。本拠地・札幌ドームもきょうから有観客試合となる。奇跡のカムバックを果たした男がファンの熱い声援を受けながら、波に乗れない現状を打ち破る。 【写真】無観客、心はドームに 日ハム本拠地開幕戦
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北の大地から、日本ハムの逆襲が始まる。反攻の合図は、背番号15の快投だ。3カード連続で負け越し中のチームは現在、借金「5」を背負い、リーグ単独最下位と厳しい状況にいる。今季初めて有観客で行われる札幌ドームから心機一転、巻き返しを図る。 先発・上沢が、連敗ストップの鍵を握る。378日ぶりの1軍登板となった前回は、初球から150キロを計測するなど、大ケガの影響を感じさせないパフォーマンスを披露した。その試合では余力を十分に残しながらも、体の負担を考慮し5回で降板。69球の熱投を終えたゲーム後は「もっといけると思う」と、確かな手応えを口にした。 膝の骨が真っ二つに割れた状態から、復帰した野球選手は過去にいない。それでも地道なリハビリを乗り越えて、グラウンドに帰ってきた。いばらの道を歩み、心身のたくましさは、より増した。栗山監督は全幅の信頼を寄せて、右腕を再びマウンドへ送り出す。 「勝ち負けに関してはこっちの責任。(勝敗の)プレッシャーは俺が感じればいい」 打線も一丸となり、上沢を援護する。前カードのオリックス戦では、大田と渡辺をスタメンから外すなどメンバーを大幅に入れ替え。チーム打率リーグ最下位と奮わない現状を脱するために、なりふり構わず手を打った。指揮官は「勝つためにやっている。一番勝ちやすいメンバーで戦うだけ」。固定観念を捨て去り、ひたむきに白星を追いかける。 迫力を欠く攻撃陣を目覚めさせようと、小笠原ヘッド兼打撃コーチも知恵を絞る。「(メンバーは)そのときの状態もあって監督がしっかり決めている。こっちはしっかりサポートする。(打順を)決めつけないで1試合1試合やっていけたら」。熱血指導でチームを鼓舞し、湿る打線に火を付ける。 ペナントレースはまだ序盤。劣勢を挽回する時間は十分に残されている。今季未勝利のカード頭を制すれば、潮目は大きく変えられる。奇跡の復活を遂げた上沢の全力投球が、沈むチームに揚力をもたらす。 (宮西雄太郎)
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カード頭を取って、波に乗りたい。
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