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2017年8月8日火曜日

加計学園問題 加計関係者発言の速記録「存在しない」特区WGで内閣府

 政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG、八田達夫座長)が開いたヒアリングに同席していた学校法人・加計(かけ)学園の幹部らの発言が、公表された議事要旨に記載されなかった問題で、WGは7日、今後公表する詳細な議事録においても、同学園側の発言は「公式発言ではない」として掲載しない方針だと明らかにした。ヒアリングの速記録は作成されたというが、内閣府は「用済みになったので、今は存在しない」としている。

 ヒアリングでの学園側の発言は、政府の公式記録としては一切残らないことになる。安倍晋三首相は「特区WGの議論はすべてオープンになっている」と語ってきたが、2年前の政府と学園側のやりとりは、将来にわたって検証できなくなる可能性が強まった。

 獣医学部の新設提案をめぐっては、2015年6月にWGが愛媛県と同県今治市からヒアリングした際、加計学園の幹部ら3人が同席していた。複数の出席者によると、教員確保の見通しなどについて学園側と質疑が交わされたというが、今年3月に公表された議事要旨には載っていない。

 八田氏とWGの原英史委員は7日、この問題を受けて記者会見。同学園関係者は、提案者である今治市の判断で同席した「説明補助者」だったとし、発言を載せなかった理由について「説明補助者は通常、参加者として扱っていない」(原氏)と説明した。

 WGの議事内容は、概要版の「議事要旨」と、4年後に出す詳細な「議事録」で公表されることになっている。原氏は「議事要旨と議事録はほぼ同じもの」と述べ、学園側の同席・発言は「公式ではない」として議事録にも載らないとの見通しを示した。

 民進党はこの日の調査チームの会合で、内閣府に対し、ヒアリングの全容を開示するよう求めた。これに対し内閣府の塩見英之参事官は、業者に委託した「速記録」をもとに議事要旨を作成したとしたうえで、「議事要旨を作れば用済みになるので、元の速記録は今の段階では存在しない」と語った。

 同党は録音記録の開示も求めたが、塩見氏は「(業者に)速記のお願いをしているだけ」と述べた。

 速記録が残っていないことについて原氏は「どれぐらいの期間、保存されているかは内閣府に聞いてほしい」とした。(岡崎明子、星野典久)

     ◇

〈国家戦略特区ワーキンググループ〉 特区の制度設計や関係省庁との折衝、提案者からのヒアリングなどを行うため、政府が設置した組織。9人の委員は民間有識者で構成され、最終的な意思決定は国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)が行う。
(朝日新聞デジタル)

 速記録・議事録が公開されない=安倍総理に不都合なのだろう。

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