「解消」を決めたはずの自民党の各派閥が結集の動きをそろりと見せ始めている。
9月に想定される総裁選をにらみ、「総裁候補」を擁する派閥は水面下で準備に着手。明確な候補がいない派閥も固まって動いた方が主導権を握れるとの思惑があるようだ。
自民派閥のうち、麻生派を除く5派閥は解散を決めている。党内は派閥なき後の総裁選にどう臨むか手探りの状況だが、「旧来の派閥単位で集まってしまうのは当然の流れ」(中堅)との声も漏れる。
岸田文雄首相が会長を務めた岸田派は来週にも所属議員の会合を予定している。今夏、同派にとりゆかりの深い山梨県で「研修会」を開く案も取り沙汰される。同派関係者は「岸田さんが出るならわが派は固まる」と言い切る。
茂木派も通常国会閉幕後、派閥トップの茂木敏充幹事長が中堅以下の議員を集め、相次いで会食。茂木氏は次の首相を尋ねる世論調査で下位に甘んじており、「総裁選を意識し、まずは足元の結束を図りたい考えなのだろう」と政府関係者はみる。
裏金事件の当事者でもある二階派は25日夜に中堅議員らを集めた会合を開催。これに先立つ22日にもベテランが集まり、今後も「まとまっていく」(出席者)ことを確認した。
長く派閥トップの座にあった二階俊博元幹事長は次期衆院選に出馬せず引退する。総裁選を前に動きを活発化させる背景には、数の力を示し、党内での存在感を取り戻そうとの狙いがある。「中身より集まることが大事だ」。同派ベテランはこう話す。
裏金事件の震源地となった安倍派は幹部が軒並み離党したり、党員資格停止などの処分を受けたりして壊滅状態。中堅以下30人程度が来月中旬、総裁選対応について協議する予定だ。同派など衆院当選4回以下の議員は安倍1強時代しか知らず、「言われるままに動いてきた。安心感がほしいのだろう」と党関係者は語る。
もっとも、裏金事件を受けた党改革は道半ば。改正政治資金規正法で積み残された検討課題などの党内議論もほとんど進んでいない。そうした中、派閥復活ともとれる動きが先行すれば、世論の反発を浴びそうだ。
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馬脚を現すのが、早過ぎでしょう。派閥解消は口先だけで、国民は見透かしている。
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