イスラエル軍が23日に実施したレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する空爆で、レバノン保健省は同日、死者数が少なくとも492人、負傷者は1645人に上ったと明らかにした。イスラエルはヒズボラとの交戦で避難しているイスラエル北部の住民の帰還を目標に掲げ、ヒズボラに対して攻勢を強めているが、衝突が拡大する懸念も高まっている。
保健省によると、死者には子供35人と女性58人が含まれている。レバノン南部では数千世帯が避難を強いられたという。戦闘による1日当たりの死者数としては、1990年にレバノン内戦が終結して以来、最多とも報じられている。
イスラエル軍は23日、ヒズボラが拠点としているレバノン南部や東部ベカー平原などで約800の標的に空爆を実施。ヒズボラがロケット弾やミサイルなどを保管している建物などを攻撃した。ヒズボラの複数の幹部が死傷したとの報道もある。
一方、ヒズボラもイスラエルに対して180発以上のロケット弾を発射した。多くは迎撃されたが、イスラエルメディアによると、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の複数の村に着弾したという。
イスラエルのネタニヤフ首相は23日、レバノン国民に向けた声明を発表し、「イスラエルの戦争の相手はみなさんではなくヒズボラだ。軍事作戦が終われば安全に家に帰れる」と呼びかけた。イスラエル軍高官はAP通信に対し、地上侵攻の予定はないと語り、空爆の目的は「ヒズボラの攻撃能力を弱めること」だと説明した。
ヒズボラは昨年10月にパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まって以来、イスラエルと交戦を続けている。今月17、18日にはヒズボラのポケットベルやトランシーバーが一斉に爆発し、30人以上が死亡、3000人以上が負傷しており、イスラエルによる破壊工作が疑われている。【エルサレム金子淳】
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イスラエルの無差別攻撃でしょうか。ネタニヤフの保身のための戦争でしょうか。
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