【マニラ共同】フィリピン沿岸警備隊は15日、南シナ海のサビナ礁の権益を守るため、5カ月間停泊させてきた日本製の大型巡視船を同礁から撤退させたと発表した。中国船団の包囲で兵糧攻めに遭い、水や食料が枯渇した。同礁はフィリピンが実効支配する他の環礁への補給経路上にある戦略的要衝。中国が実効支配を固める可能性が高まった。
フィリピン政府はサビナ礁で中国船団が小規模な埋め立てを行ったとし、軍事基地化の恐れを懸念。巡視船を4月中旬から長期派遣してきた。
中国は同礁からの撤退を要求し、8月以降、巡視船への海上補給妨害を強化した。巡視船は8月末、中国海警局船の衝突で側面に穴が開く損傷も受けた。フィリピン政府は修理や補給を終えた後、任務を再開するとしているが、巡視船を送る際に包囲を突破するのは困難とみられる。
パラワン島に今月15日に帰港した巡視船からは、脱水症や胃痛に苦しむ乗員4人が緊急搬出された。
同島から約140キロ沖のサビナ礁はフィリピンのEEZ内にあるが、中国は一方的に主権を主張している。
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不法に実効支配している中国に、国際社会で対処する必要があるでしょう。
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