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東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任表明してから一夜明けた13日、後継候補は橋本聖子五輪相(56)でほぼ一本化された。組織委は透明性確保のために候補者検討委員会を設置、今週中にも新会長を決める構えだ。一方、最終調整の段階で橋本氏自身が受諾に踏み切れない事情が浮かび上がってきており、すんなりと進むか、周辺は気をもんでいる。
森氏による密室指名で日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏(84)で決まりかけたものの、官邸の介入で一転白紙となった後継問題。組織委関係者は「候補として何人かの名前が報じられているが、橋本さんでほぼ一本化」と胸をなで下ろした。
世界に恥をさらした問題は解決に向け進むかにみられるが、クリアしなければならない問題が残されている。
その一つが懐事情。国務大臣は公益法人の役職の兼職が禁じられており、会長に就任するには五輪相を退く必要がある。そればかりか参院議員の辞職を迫られる可能性も。政府関係者は「多忙な会長職と議員活動の両立などできるのか。登院せず歳費をもらい続け批判された河井案里前参院議員とは違うとはいえ、世間が納得するのか」と話した。
1998年12月に警視庁SPだった警察官と結婚。現在、6人の子供を抱えている。組織委の役員報酬月額は20段階に分けられ、評議員会が個別に決定。年額にすると最高で2400万円だ。橋本氏が無報酬だった森氏と比較されることを恐れ、コロナ禍で大きいダメージを受けている協賛企業のことも考慮し自ら少額の意向を示さざるを得ない状況になれば、現在の生活維持は厳しい。
コロナ禍の議員歳費2割削減措置などを受け、国務大臣の年収は2000万円ほど、参院議員では約1900万円。これらに加え、毎月100万円の文書通信交通滞在費が支給され、大臣や議員が対象ではないが、3人まで雇える公設秘書給与分もある。
会長になれば大臣や議員に比べ融通が利かないなど、実質面を合わせれば減収幅はさらに大きくなりそう。議員辞職なら自民党の“優遇措置”などで来夏参院選での返り咲きが確実視されるが、それまでの減収分について、永田町関係者は「政府・与党の責任で五輪とは関係ない複数の団体の顧問に就ければカバー可能」と話した。
一方、与党関係者は「億単位と言われる父親の借金を背負ったと聞いている」とした上で「国民世論は“政治とカネ”に敏感。これまでの議員活動の重箱の隅をつつかれて、何か出てこなければいいが」と心配する。
さらに、アキレス腱として周囲が気をもむのが過去のセクハラ騒動。2014年2月の冬季ソチ五輪閉会式後に選手村で開かれた打ち上げパーティーの席で、フィギュアスケート男子の高橋大輔(34)に抱きついてキスを強要したなどと同年8月、写真付きで報じられた。当時は参院議員にして日本スケート連盟の会長。辞任を申し出て慰留された連盟理事会につえをついて激やせした姿で現れたのは記憶に新しい。
今回の問題の発端は森氏の女性蔑視発言だけに、蒸し返され別のセクハラ的言動探しでも始まったら厄介だ。
五輪を唯一の政権浮揚機会と捉える菅義偉首相。そのために、転ばぬ先のつえとして担いだのが“橋本会長”。これで転んだら、もはや絶体絶命だ。
≪川淵氏「疲れ切った感じ…」≫組織委員会の新会長就任を辞退した川淵三郎氏は13日、自身のツイッターに「今はスッキリした気分ですので他事ながらご安心ください。と自分でも思っていたのですがさすがに身体は綿のように疲れ切った感じです。弱音を吐かせてください」などと一連の騒動後の心境をつづった。11日に森会長に後継指名されて受諾する意向を示していたが、政権や世論の反発が大きく、12日には翻意。後任会長人事は白紙となり、検討委員会が選定作業を進める。
◆橋本 聖子(はしもと・せいこ)1964年(昭39)10月5日生まれ、北海道出身の56歳。92年アルベールビル五輪スピードスケートで冬季五輪日本女子初の銅メダル獲得。自転車と合わせて日本女子最多の五輪出場7回。95年に参院選で初当選し、国会議員としてアトランタ五輪に出場。引退後はJOC理事に就任し、10年バンクーバー五輪、14年ソチ五輪では選手団団長。日本スケート連盟会長、日本自転車競技連盟会長などを歴任。東京五輪招致にも招致委員として貢献した。
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安易に女性を会長にするのは如何なものだろうか。組織委員会の会長が、名誉職とすれば、不在で事務総長が兼任もありだろう。
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