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国軍によるクーデターが発生したミャンマーへの対応をめぐり、日本政府が米国とのスタンスの開きに苦慮している。 【図解】ミャンマー これまで築いてきた国軍との良好な関係を維持したい日本と異なり、米国は制裁も辞さない姿勢を見せているためだ。欧州連合(EU)が米国に追随すれば、より苦しい立場に立たされることも予想される。 クーデターは1日に発生。与党・国民民主連盟(NLD)が圧勝した昨年11月の総選挙で不正があったと主張する国軍は、アウン・サン・スー・チー国家顧問らを拘束し、全権を掌握。2011年の民政移管から10年で国軍支配が復活した。 バイデン米大統領は1日に声明でミャンマーへの制裁発動を警告。日本政府も続いて「重大な懸念」(加藤勝信官房長官)を表明したが、制裁については言及しなかった。 対ミャンマー外交に関し、日本は「独自色」(外務省関係者)を貫いてきた。07年の民主化運動弾圧で欧米各国が制裁を強化した後も、日本は軍政との関係を切らさず、民生部門を中心に支援を継続した。 こうした「伝統」から、茂木敏充外相は昨年8月のミャンマー訪問の際、スー・チー氏だけでなく、国軍のミン・アウン・フライン総司令官とも会談し、配慮を見せた。関係者によると今回、外務省きっての専門家である丸山市郎駐ミャンマー大使が軍側と接触、説得を試みているという。 ただ、米国とのスタンスの開きは大きい。欧州連合(EU)のミシェル大統領も「クーデターを強く非難する」と日本よりも強い言葉を用いてスー・チー氏らの解放を訴えており、外務省幹部は「EUが米国とともに制裁に動けば、日本も参加せざるを得ない」との見方を示す。 国内でも強い態度で臨むべきだとの声が出ている。自民党外交部会は5日、日本政府にミャンマーへの経済協力を含め対応を検討するよう求める非難決議を決定した。
一方、制裁に進めば、ミャンマー軍政を中国との関係強化に向かわせてしまうとの懸念もある。茂木氏は2日の記者会見で、制裁について「民主化プロセスを回復することが極めて重要だ」と述べるにとどめ、難しい立場をにじませた。
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軍事政権と国民の対立が深まると、日本企業の撤退もあるだろう。
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