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2019年12月に中国・武漢で原因不明の肺炎が広がっているとソーシャルメディアでいち早く警鐘を鳴らし、警察から処分され、自らも新型コロナウイルスに感染して亡くなった李文亮医師(33)の命日を7日に迎え、ソーシャルメディアでは哀悼と称賛の声が広がっている。 李医師は武漢中心医院の眼科医で、重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た病気が市内で広がっていると警告した。チャットグループに入っている同僚の複数医師に対し、アウトブレイクが起きていると警告するメッセージを送信。防護服を着用して感染を防ぐようアドバイスした。 しかしその後、警察から「虚偽の発言」をやめるよう指導され、「うわさを広めている」とされて捜査対象になった。 2020年1月には自分も新型コロナウイルスに感染し、2月7日に亡くなった。 その死を受けて中国では異例なほど、国民の多くが悲しみだけでなく、中国政府の新型ウイルス対応について怒りを公然とあらわにした。 武漢市内の病院が感染患者であふれるようになると、新型ウイルスの危険性や感染の規模を政府は隠蔽(いんぺい)しようとしたという非難が高まった。世論の怒りがピークに達して初めて、政府は李医師を称賛するようになった。 これまでに世界で1億500万人以上が新型コロナウイルスに感染し、230万人が亡くなっている。 一方で中国政府はこの1年間、新型ウイルスの感染対策にいかに成功したかを強調してきた。 中国では表現の自由が制限され、ソーシャルメディアも定期的な検閲を受ける。 それでも、中国のツイッターとも呼ばれる「微博」に残る李医師の個人ページでは、多くの利用者がパンデミックについて悲しみや苦しみを共有できる異例の場になっている。 医師が残した投稿には何万、何十万ものコメントがつき続けており、命日を前にした6日にも大勢が追悼の思いを書き込んでいた。 「李先生、歴史と人々は決してあなたを忘れません!」と、医師の最後の投稿にコメントした人がいた。 「1年もすればみんなあなたのことを忘れてしまうと思っていたが、それは間違っていた。あなたは中国国民の心の中に永遠に生き続ける」と書いた人もいた。 武漢市内でも多くが李医師を追悼している。医師が働いた病院の近くでは、住民の1人がロイター通信に、「(李医師は)私たちに最初にウイルスのことを知らせてくれた人だ」と話した。 「とてつもない影響が出ると考えたはずだが、それでも警鐘を鳴らしてくれた。本当に勇敢だったと思う」
(英語記事 Li Wenliang: 'Wuhan whistleblower' remembered one year on)
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たらればですが、中国が初期対応を誤っていなければ、違う結果となっていたかもしれない。
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