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本格的な夏場に差しかかる中、沖縄県内で新型コロナウイルス感染が急拡大している。県の推計では冬場の「第8波」に迫る勢いだが、軽症者の中には検査を受けない「隠れ感染者」も多数いるとみられる。さらにRSウイルスなどコロナ以外の感染症も増加し、医療逼迫(ひっぱく)に拍車をかける。玉城デニー知事は26日、急きょ会見を開き「(最大の流行だった)昨夏の第7波を超えることも想定しなければならない。このままでは救えるはずの命が救えなくなる」と危機感を示した。(社会部・下里潤) 「軽症だし、検査を受けるメリットはゼロです」 那覇市に住む40代の女性は断言する。2週間前、37度台の熱が出てのどの痛みを感じたが、PCR検査は受けなかった。コロナの5類への移行で有料になったのも理由の一つだが、一番は「仕事が忙しく休めない」からだ。「陽性と分かれば休まないといけないじゃないですか」と苦笑する。 感染拡大の要因の一つは、オミクロン変異株の「XBB系統」が主流になったこと。重症化傾向は見られないものの、感染力が強く、ワクチンや感染によってできた免疫が効きにくいとされる。ワクチン接種から半年以上が過ぎ、予防効果が薄れている人が増えていることも背景にある。 救急搬送の受け入れにも影響が出始めた。県によると、12~18日の1週間で緊急搬送されたケースは1846件。うち、搬送先が見つからず現場で30分以上待機したケースは61件あった。今後も感染拡大すれば、コロナだけでなく心筋梗塞や脳卒中など救急治療が必要な患者の命が救えない恐れがあるという。 さらに新型コロナ以外の感染症が増加し、医療現場の負担に拍車をかけている。沖縄赤十字病院第一救急集中治療部長の佐々木秀章医師は「コロナの3年間で免疫力が低下し、幼児を中心にさまざまな病気が流行している」と話す。 5類移行後、県民の行動が活発になり、呼吸器疾患を引き起こすRSウイルスなどの感染症が3年ぶりに広がっているほか、交通事故などによる救急搬送も増えているという。本人や家族の感染で医療スタッフが仕事を休むことも多い。 佐々木医師は「インフルエンザが同時流行すればどうなるか。沖縄は既に第9波の中にいる。感染を広げない意識を改めて持ってほしい」と呼びかけた。
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隠れコロナで実態が見えないのは怖いでしょう。
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