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◇セ・リーグ 阪神8ー0中日(2023年6月29日 甲子園) だからこそ、阪神・渡辺諒は「直球破壊王子」と呼ばれる。3―0で迎えた5回1死一塁。褐色のバットが火を噴いた。松葉の高め直球を砕くと、白球はバックスクリーン左へ。4月13日巨人戦(東京ドーム)以来の一発で、移籍後初の本拠地弾となる2号ソロは、試合を決定づける豪快な放物線となった。 「風もあったけど、しっかり叩けたので、あそこまで飛んでくれた。この満員の観客の中で、ホームチームの一員として打てたのは凄くうれしかった」 振れば野手の間に打球が飛んだ。3回無死二塁ではチェンジアップを引っ張って三遊間を破り、7回1死一塁では2番手・上田の外角高め直球を鮮やかに右中間へ。初回無死一、二塁での一ゴロも、やや左なら右前へ抜けていた。「打つべき球を打てた。うまく低めのボールを見極められたのが、いい結果につながった」。自画自賛の移籍後初の3安打。岡田監督も「はじめは前川やったけどオレが3番にした」と打順変更的中にしてやったりだ。 プロ10年目にして移籍してきたセ・リーグの舞台。当初は慣れない空気に四苦八苦しながらも、今はこの環境が素直に「楽しい」と思える。DH制がなく、代打起用や投手交代に伴う選手の入れ替えや駆け引きが頻繁に起こる「セの野球」がとても新鮮だという。 「パの野球は、代打があっても、捕手や、その試合で打てなかった選手にポンって入れたりするくらい。今はやってても、見てても、楽しいなと思う」 策士・岡田彰布の下で学ぶ新たな野球観。グラウンドの内外で大きな刺激を受けつつ、貪欲にさらなる成長への鍵を探している。 東海大甲府(山梨)出身で1年から4番を任された。名門ゆえ、練習中に少し笑っただけでも「歯、見せるな!」と一喝されたと懐かしむ。試練に耐え、目指してきた聖地・甲子園。卒業から10年、職場となって初めて架けたアーチ。仲間の派手な祝福を受けると、その顔から少しだけ白い歯がこぼれた。(八木 勇磨)
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やっと本来の実力を発揮でしょうか。
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