マイナンバーカードと健康保険証を一体化する「マイナ保険証」を巡り、政府・与党内で、現行保険証の廃止期限の先延ばしを模索する動きが出始めた。マイナカードに関するトラブルの収束が見えず、期限に固執すれば政権批判が高まりかねないとの危機感がある。
「国民に丁寧に説明しながら、国民の不安を払拭(ふっしょく)していきたいと考えている」
松野官房長官は22日の記者会見でこう述べ、マイナ保険証への移行を慎重に進めていく考えを強調した。首相補佐官を務める自民党の中谷元衆院議員も、同日の党のグループ会合で、現行保険証を廃止する段取りについて「検討と議論が必要だ」と指摘した。
今月2日に成立した改正マイナンバー法などの関連法では、マイナ保険証への移行期限を、関連法の施行時(2024年秋)としつつ、25年秋までの最長1年間を「猶予期間」と定めた。猶予期間中は、マイナ保険証以外の新規保険証は発行されないが、すでに発行済みの現行の保険証は、引き続き使用できる。
岸田首相は21日の記者会見で、「現行保険証の全面的な廃止は、国民の不安払拭のための措置の完了が大前提だ」と述べた。首相の言う「全面的な廃止」の時期は25年秋を指すとみられ、それまでにトラブルが収束しない場合、猶予期間の延長などを含めた軌道修正の可能性を示唆した。
政府高官によると、記者会見の直前、首相官邸内では、首相が「国民の不安を払拭できなければ現行保険証の廃止を見送る」と表明する案も検討された。ただ、期限の延長などには法改正が必要なため、可能性の示唆にとどめたという。
政府はトラブルの総点検を今秋までに完了させる方針だが、新たなミスが大量に発覚すれば、国民の不信感が増大しかねないとの懸念も出ている。
野党は攻勢を強め、7月上旬にも行われる国会の閉会中審査などで政府を追及する構えだ。立憲民主党の長妻政調会長は22日の記者会見で、トラブルの原因に関し「急げ急げというプレッシャーを政治家が(官僚に)かけた意味で、閣僚や首相の責任は非常に大きい」と批判した。
公明党の山口代表は22日の党会合で、閉会中審査での質疑について「課題を徹底して議論して政府の取り組みに生かしてほしい。こうしたことが確実に行われない限り、政権に対する期待は盛りあがってこない」と政府に注文した。
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つまらないことに固執して支持率が低下する。米国のいいなりでの防衛費増額の財源も先送りで、何かが間違っているでしょう。
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