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大阪・関西万博の会場建設費が、これまでの1850億円から500億円増の最大2350億円となることが20日、正式に報告された。日本国際博覧会協会は資材費や人件費の高騰を増額の理由とするが、これらへの懸念は昨年時点で経済界などから指摘されていた。ぎりぎりまで増額の判断をしなかった協会の見通しの甘さに、各方面から批判が噴出している。 「1850億円の範囲内で建設を行うミッションを与えられ努力してきたが、不十分ということで苦渋の決断をして(増額を)お願いしている」。建設費増額の報告後に大阪市内で記者会見した協会の石毛博行事務総長はこう釈明した。 建設費は政府、大阪府市、経済界の3者が等分負担する。これまで1者あたりの負担は617億円だったが、増額により単純計算で160億円超の追加負担が発生する。 増額の報告を受けた大阪府の吉村洋文知事は「説明は不十分だ。協会に改めて質問し、回答を踏まえて判断したい」と厳しい表情で語った。 建設費が令和2年12月に1250億円から1850億円に引き上げられた際、井上信治万博担当相(当時)は「新型コロナウイルス禍で負担を強いられている中だが、国民が盛り上がる万博にするのがわれわれの責任」と言及。吉村氏は「コストを上げるのはこれが最後だ」と述べていた。 その後、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などで資材や燃料価格の高騰が続き、予算は逼迫(ひっぱく)。経済界で寄付集めの旗振り役を務めてきた関西経済連合会の松本正義会長は昨年11月の会見で「以前から(1850億円で)足りるのかと何度も言ってきた」とした上で、建設費の上振れを容認する考えを示した。 それにもかかわらず、協会は「ただちに見直し議論が必要な状況ではない」などと従来の主張を崩さなかった。その根拠として、協会は最初に増額した際に物価上昇分を織り込んでいることなどを挙げていた。 実は協会内でも、想定を上回る物価上昇などで「増額は避けられない」との意見も出ていたが、予算膨張の批判を避けたいトップの判断が遅れた。石毛氏は20日の会見で「昨年段階で(増額を)お願いするという認識はなかった」とした。 松本氏は産経新聞の取材に対し、「協会は土壇場で(1850億円では)できないと言ってきた。負担する国民に対する説明が不足しているし、不誠実な態度だ」と批判した。(井上浩平)
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協会の見通しの甘さで、不足分を国負担(税金)はふざけた話でしょう。チケットの価格見直し、延期、中止もありでしょう。
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