配信
【アナハイム(米カリフォルニア州)9月30日(日本時間1日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(29)が、メジャー6年目も投打で驚異的なパフォーマンスを見せた。21年から3年間で124本塁打。今季は史上初となる2年連続で「2桁本塁打&2桁勝利」を達成した。右肘を再手術する結果となったが、二刀流の本塁打王に他球団の選手たちがあらためて、称賛の声を並べた。 ◇ ◇ ◇ ドジャース・フリーマン(最多安打2度、20年リーグMVP) 僕にとって驚きなのは、毎日、打者でしっかり準備するのにたくさんやることがあるし、それでいて高いレベルを保つのは時間のかかることだけど、ショウヘイは打って、投げる。それはもう、あぜんとする。最高の打者になるため、最高の投手になるためのエネルギー、スタミナ、メンタル面の辛抱強さ、どれだけあるのか計り知れない。 僕は、試合の日は3度、打撃練習するんだ。まず、室内ケージで、それから外で打撃練習をやって、また室内ケージで打つ。最初は15~20分くらいのスイング。次に、全て正しいことをやっているかどうかの確認で5~10分くらい。最後に、試合前は15~20スイング。ただ、継続的なことで、自分の場合はいつも打撃のことを考えている。彼は、ピッチングも考えている。僕だったら、頭を整理できるか分からない。それはとても難しいことだ。高校の時に(二刀流を)やっていたけど、難しかったよ。 打撃1つでさえ、ゲームに向かう前までにノンストップの練習でやっているんだ。それを、彼は2つ同時にこなしている。ベストヒッターでもあり、ベストピッチャーでもある。これは信じられない。言葉で表現するのも難しい。素晴らしいことだし、野球ファンとして、見ていて楽しい。 僕の息子(7歳のチャーリー君)だって彼が大好きだし、去年は、対面もできたんだ。時々、ふと冷静に考えて、ショウヘイ・オオタニがやっていることに感謝しているんだ。だって、今後、僕らの人生でもう1度見られるかどうか、分からないんだから。僕らが死んでしまってから、もしかしたら100年後くらいに見られるかもしれないけどね。ショウヘイは、とても特別な存在だよ。 レンジャーズ・シャーザー(サイ・ヤング賞3度、最多勝4度、16年から3年連続の最多奪三振) 「メジャーリーグの選手は、常に良くなっていかないといけない。同じ状態(レベル)でいるということは、つまりは悪くなっているということ。彼は、間違いなく成長している。その1つが耐久力だろう。マウンド上での耐久力という点で、彼の本当の潜在能力は隠れていたが、彼が実際にできること、これまで見たことがなかったように投打の両方で試合を支配できること、我々はその潜在能力を目の当たりにした。見ていてとても魅力的だし、これからもずっと見ていたい。自分が出来ることと言えば、彼のベストと回復を祈ることだ」 ドジャース・ベッツ(18年ア・リーグMVP。オールスター選出7度) 「素晴らしい選手であり、かつて見たことがないような選手だ。本当に野球を楽しんでプレーしている。毎年、投打の全てにおいて良くなっている。全て優れているから、彼は野球でベストプレーヤーの1人なんだ。僕らは互いにリスペクトしている。彼のプレーを見ることができたのは、本当に素晴らしいこと」 タイガース・カブレラ(今季限りで現役引退。12年に打撃3冠王、2度のリーグMVP) 「今年、ケガをしてしまったけど、数字も良くなって、とても素晴らしかった。もし、強く、健康で居続けることができれば、彼が3冠王になるチャンスはある。最も印象的なのは、素晴らしい打者でありながら、中5日でピッチングをしていたこと。打者でプレーして、その後、登板することはとても難しい。それを完璧にやって、投打でハイレベルなパフォーマンスをしていたのは、本当に素晴らしい」 パイレーツ・マカチェン(13年のリーグMVP。今季2000安打達成) 「21年にMVPを獲得した時よりも、打席で良くなっているように見える。今年(故障前まで)、彼とヤンキースのジャッジが比較されて、それは正しいことのように思う。彼がやっていることは、毎日見られるようなことではない。米国だけでなく、野球界にとって、すごく影響力がある選手。このまま素晴らしいキャリアを続けて、長い間プレーしてくれることを願っている」 アストロズ・ブレグマン(18年のオールスターMVP) 「毎年、彼は良くなっているし、改善を続けている。ものすごい練習熱心のようだし、それが間違いなく、報われている。僕が今まで見てきた中でベスト選手の1人。塁に出れば、最も速い選手の1人。素晴らしいランナーでもあり、勘もいい。野球をよく知っているし、小さな細かなことも、正しくこなす。そして、マウンドでは7種類以上の球種を持っている。ただただ完璧なプレーヤーだ」 ブルージェイズ・ビシェット(21年から2年連続リーグ最多安打) 「今年の彼を見ていて、数字も含めて全体的に前よりも断然、良くなっているように感じた。毎回、力強いスイングができるのは驚くべきこと。打席での自信を見ても分かるが、ベスト選手と言って間違いない。彼は全てが出来る。フィールド上の誰よりもパワーがあり、スピードもある。信じられないほど危険なバッター。パワーヒッターであると同時に、いろんな球種をヒットに打てる。打ち取り方は、おそらくないように思う。それは、特別なことだ」 ホワイトソックス・ヘンドリックス(20年、21年の最優秀救援投手。21年に最多セーブ) 「爪が割れていたのに本塁打を打った時、驚いた。ボールを打ち砕くのに、バットを握るのはきつかったはずだ。今年、彼がよりエリートレベルになっていることがよく分かった。(体の)後ろ側によく腕を残せているし、そこから全力で引っ張ることもできる。仮に、あるボールを振らされたとしても、そのボールに対してすぐにいいスイングが出来る」 ドジャース・スミス(今年のWBC米国代表でオールスターにも初選出) 「危険な打者。どんな球種でも捉えられる。投手としては、全球種をミックスしないといけない。(攻め方を)予想でき、とてもスマートな打者だ。より(打席で)感覚が良くなっているようにみえる。あるコースに固執してはいけない。いろいろなところを攻めなければいけないし、ギアを上げないといけない。投げきれない時には、彼は打ち砕く」 ガーディアンズ・カルフーン(大谷とは18年から2年同僚) 「とんでもない特別な才能がある。正直、これほどまでとは、想像できなかった。野球にとって、とてもいいこと。みんなが彼を見に足を運ぶ。とても特別なことだね。19年だったかな、チームバスの外にショウヘイと写真を撮りたいファンがいて、僕らは『ショウヘイ、行ってこい、行ってこい』と勧めたんだ。仕方なく彼はバスを降りて、そしたら3人の女の子のうち2人が気を失ったんだ。ロックスターみたいだったよ。みんなが、そう感じたと思う」 パドレス・崔志萬(韓国出身の中距離打者。メジャー8年で67本塁打) 「アジア出身の選手が、あれだけの功績を残して、とてもうらやましく思う。僕はだいたい、70%くらいでバットを振っている。メジャーのピッチャーは、とてもボールが速いからね。本塁打を打つことは考えていない。だけど、大谷はフルスイングができる。そのあたりを学びたい」 ▼ア・リーグ全15球団の残り公式戦はいずれも1試合のみ。大谷の本塁打王は2位に5本差をつけたことで確定的となった。MLB史上で1選手による1試合の最多本塁打記録は4本で、この記録を更新しない限り大谷に追いつけない。39本で2位のガルシア(レンジャーズ)は今季ここまで147試合で629打席が回ってきており、1試合平均約4・3打席。打席数的にも可能性が低い。今季マルチ本塁打を7度記録している4位ジャッジ(ヤンキース)も、残り1試合で7本差は絶望的。
**************************************************************
今後も記録・伝説が生まれるでしょう。来季の打者・大谷が楽しみです。
0 件のコメント:
コメントを投稿