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郵便料金の大幅な値上げ方針が18日示された。総務省は、現行料金のままでは4年後に日本郵便の郵便事業の赤字が3000億円超に膨らむと見込む。ただ、想定通りの値上げが実現しても2026年度には再び赤字となる見通し。今後も郵便物の増加は見込めず、郵便事業を維持するには抜本的な対策が必要になる。 郵便物は263億通あった01年度をピークに毎年3%程度の減少が続いている。22年度は144億通とピークに比べてほぼ半減した。インターネットやSNS(ネット交流サービス)の普及に伴って、企業が販売促進のダイレクトメールを減らしたり、各種手続きのウェブ化が進んだりしたことが、郵便物減少の背景にある。 これに対し、日本郵便は「大切な人への想いを手紙にしたため、受け取る喜び、贈り物を送る楽しさは時代が変わっても色あせない」として、東京・渋谷で若者向けにデザインしたグッズを販売するなど郵便局のイメージチェンジを図っている。企業への年賀状の利用勧奨などの取り組みも進めているが、デジタル化の流れには逆らえず、郵便物は28年度にさらに2割減の115億通まで落ち込むとみている。 一方、全国に約2万4000ある郵便局のコストは増加傾向が続く。郵便物を住所ごとに仕分けする作業を機械化し、配達ルートを自動で作成するシステムを活用するなど効率化は進めているが、郵便事業の営業費用の4分の3は人件費が占める。23年春闘では物価高に伴って07年の民営化後で最大となる月4800円の基本給底上げを実施しており、事業の効率化だけで人件費をカバーするのは難しくなっている。配達に使う車やオートバイの燃料費の高騰もコストを押し上げている。 こうしたことから日本郵便の郵便事業の営業損益は22年度に211億円の赤字に転落。試算によると、現状の料金のままだと28年度に赤字は3439億円に膨らむ。また、24年10月に84円の封書を110円に、63円のはがきを85円に想定通り値上げをしたとしても、25年度に67億円の黒字を計上するだけで、郵便事業は26年度に再び400億円の赤字に転落する見通し。それ以降も赤字幅は拡大し、28年度には1232億円に達するという。1994年の料金改定では3年間は赤字が生じない値上げ額として、62円から80円に改めたが、今回は1年しか黒字を確保できない計算だ。 このため総務省は短期間で再度の料金見直しも視野に入れるが、18日の審議会の会合では有識者から「国がデジタル化の旗を振れば想定以上に郵便物が減る可能性があり、抜本的な議論が必要だ。料金改定によるコストもあり、こまめな値上げがいいことだとは思えない」「国民感情からすると3割アップというのは大きい」といった意見が出た。政府はなるべく安い料金で全国一律の公平なサービスを維持するため、抜本的な制度の見直しも検討する。 郵便サービスを巡っては21年10月に土曜日の普通郵便などの配達を廃止したことで配達日数が延びるなど、サービス低下も指摘されている。企業として郵便局員の負担軽減や経営の効率化を図りながら、郵便事業を維持するという難しい課題にどう対処するのか注目される。【道永竜命】
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デジタル化と相反する郵便事業の見直しや効率化が必要でしょう。
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