2025年大阪・関西万博は30日で開幕まで500日となる。日本国際博覧会協会(万博協会)は同日から前売り券の販売を開始し、25年4月13日の開幕に向け準備が加速する。会場建設費の2度の上振れや海外パビリオンの建設の遅れが機運醸成に水を差しており、前売り券の売れ行きは世論を占う一つのカギになりそうだ。
◇強まる逆風
会場建設費は今月初め、最大2350億円となることが決まった。20年12月に次ぐ2度目の増額で、誘致決定当初に計画していた1250億円の約1.9倍に上る。自見英子万博担当相は「資材や労務費の高騰でやむを得ない。可能な限りコスト削減を図る」との釈明を繰り返すが、逆風は強まるばかりだ。
会場のシンボルとして約350億円を投じて建設中の木造の大屋根(リング)にも批判の矛先が向けられた。立憲民主党などは「世界一高い日傘」「無駄遣いだ」と厳しく追及。さらに、会場建設費とは別に、「日本館」の整備などに国費で約840億円かかることも判明し、政府は万博経費の全体像を速やかに示すことに。支出総額が膨らめば、さらなる批判も予想される。
◇デッドライン「過ぎた」
海外パビリオンの準備の遅れも顕在化。問題となっているのは各国が自前で建設する「タイプA」方式だ。当初60カ国が導入予定だったが、建設業者と契約を結んだのは17日時点で24カ国にとどまる。今月、トルクメニスタンに初めて会場内の土地を引き渡したものの、着工した国はない。
日本建設業連合会の宮本洋一会長(清水建設会長)は27日の記者会見で、現時点で建設会社と協議を始めていない国について「開幕に間に合わせるのは難しい。もうデッドラインは過ぎている」と危機感を示した。
対応策として、万博協会はタイプAの各国に、日本側でプレハブや鉄骨などの基礎部分を建て、各国が外装や内装を担う簡易な「タイプX」への移行を促している。現時点で応じたのはアンゴラなど2カ国のみだが、今後増えることを見越して25棟を用意する方針だ。
一方、国内財政事情を理由にメキシコとエストニアは撤退を決めた。28日にパリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会では、ロシアが不参加を表明。ウクライナ侵攻が暗い影を落としており、今回の万博への参加は159カ国・地域となった。自民党内では「ネガティブなニュースが続いている」(中堅)と危惧する声が強まる。
パビリオンの準備の遅れについて、今月来日したBIEのケルケンツェス事務局長は「予定通り開幕できる」と強調。経済産業省幹部は「延期や中止は100%ないが、一部が建設途中で開幕することもあり得る」と語る。
◇意義伝わらず
政府は、万博を契機に自治体が国際交流を促進したり、学校で万博に関する出前授業を行ったりするため、23年度補正予算に30億円を計上するなど機運醸成に躍起だ。開幕前500日を機に前売り券の販売を始め、世論の関心を引きつけたいとの思惑も透ける。
ただ、時事通信が今月行った世論調査では、万博について「必要ない」が55.9%で、「必要だ」の20.3%を大きく上回った。ある政府関係者は「展示内容がまだ固まっていないこともあり、万博の意義が十分に伝わらない」とこぼす。
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口先だけで、コスト削減していないでしょう。日よけの建設費と解体費の合計約700億円はアホでしょう。
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