ロッテ・佐々木朗希投手(22)の契約更改が来年に持ち越されることが28日、確定した。この日、球団の年内業務が終了。来季プロ5年目の佐々木朗は初めて未更改のまま新年を迎える。球団側に要望した今オフのポスティングシステムでのメジャー挑戦は実現しなかったが、今後も消えない夢は持ち続けて、1月中には契約更改するとみられる。
昨年のクリスマスイブ更改から1年。佐々木朗が来季の契約を結ばないまま、2024年を迎えることになった。これまで球団は代理人との複数回にわたる交渉で、佐々木朗が希望するメジャー挑戦についてなど話し合い、交渉が長期化していた。
今月上旬には佐々木朗サイドがポスティングシステムによる今オフのメジャー移籍を要望していることが判明。球団側が認めないまま、今月15日に今年の申請期限を迎え、今オフの移籍は実現はしなかった。ただ、佐々木朗にとってメジャー挑戦は入団時からの夢。3月にWBCを経験したことで、1年でも早くという思いは強くなった。佐々木朗に近い関係者によれば、来オフも継続して夢の実現を訴えていくという。
球団も将来的なメジャー挑戦については肯定的に捉えている。ただ、今季も左脇腹の肉離れなどで3度離脱するなど、プロ4年間で一度も年間を通じて稼働できたシーズンがないこと。さらに「25歳ルール」の壁もあり、早期ポスティング移籍は佐々木朗と球団両者にデメリットが大きい。今オフ、25歳でドジャースに移籍した山本はメジャー投手史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約458億円)で契約を結び、オリックスには5062万5000ドル(約72億円)もの譲渡金が支払われる。だが、25歳未満の選手はマイナー契約しか結べず、球団もわずかな譲渡金しか得られない。
メッツなどメジャーで5年プレーした吉井監督は「入団時からいずれはメジャーに行きたいとは聞いている」とした上で「自分だったら、球団にもうちょっと恩返ししてからでないとダメかなと思ったりもする」と話していた。もっとも、選手目線では挑戦するなら1年でも早い方がいいという見方は強い。17年オフ、日本ハムの大谷翔平は5年目を終えた23歳で、マイナー契約でエンゼルスへ移籍。来オフならば、佐々木朗は同じ5年目を終えた23歳での挑戦となる。
米CBSスポーツは26日に「次にメジャー球団と巨額契約を結ぶ日本の3選手」の一人で佐々木朗を紹介した。「地球上で最も才能がある投手の一人」と称賛。これまでも登板日にはメジャー球団のスカウトが集結してきた。年が明けて契約を更改した後には、大きな夢を見据えてまずは目の前のシーズンに集中し、誰にも文句のつけようがない成績を残すことが最優先となる。
▽25歳ルール 大リーグでは16年以降、25歳未満かプロ6年未満の海外選手はマイナー契約しか結べなくなった。ヤクルト・村上は25歳となる25年シーズン後のメジャー挑戦を見据え、昨オフに3年総額18億円の契約を結んだ。佐々木朗が25歳未満で挑戦した場合、ロッテに渡る譲渡金は、契約金が17年オフの大谷と同等の200万ドル(約2億8200万円)だとしても5000万円前後にしかならない。
≪朗希のプロ4年間≫▽20年(プロ1年目) 1、2軍とも登板なし。キャンプからシーズンを通じて1軍に同行し、体力強化などに励んだ。
▽21年(2年目) 3月12日の中日とのオープン戦で実戦デビュー。2軍戦を経て5月16日の西武戦でプロ初登板初先発。5月27日の甲子園での阪神戦で初勝利を挙げた。シーズン終盤は中6日も経験し、楽天とのCSファーストSでも先発。11試合で3勝2敗、防御率2.27。
▽22年(3年目) 初めて開幕ローテーション入りし、4月10日のオリックス戦で史上16人目の完全試合を達成。7月には右手中指のマメの影響で約1カ月間離脱。20試合で9勝4敗、防御率2.02も、規定投球回には13回2/3届かず。
▽23年(4年目) 侍ジャパンの一員として3月のWBCに出場。2試合に登板した。5月に右手中指のマメの影響で登板間隔を空け、7月下旬には左脇腹肉離れで戦列を離脱。15試合で7勝4敗、防御率1.78。
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1軍できちんと活躍して、25歳ルールでメジャーでしょう。
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