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2015年3月29日日曜日

イエメン:前大統領、混乱の中心 復権狙い旧敵と連携か

 【シャルムエルシェイク(エジプト南東部)秋山信一】サウジアラビアなどの軍事介入が始まったイエメンで、舞台裏で混乱を引き起こしたと目されているのがサレハ前大統領(73)だ。2011年の民主化要求運動「アラブの春」で失脚したが、その後も与党党首として影響力を保持。旧敵であるイスラム教シーア派武装組織フーシと裏で手を握り、ハディ大統領の追い落としを図ったと見られている。ただ復権に向けた危険な賭けは、サウジなどの反発を招いたことで、裏目に出る可能性もある。
 イエメンメディアによると、サウジ主導の連合軍は26日の空爆で、首都サヌアにあるサレハ氏の邸宅付近も攻撃した。サレハ氏は事前に避難して無事だった。サレハ氏がオマーン大使館に保護を求めたとの情報もある。
 サレハ氏が狙われたのは、フーシによる権力掌握の「陰の主役」と見られているからだ。
 「政府(ハディ政権)を弱体化させ、クーデターの脅威にさらすため、他勢力を利用してきた」。昨年11月、国連安全保障理事会はサレハ氏を厳しく非難する声明を発表し、資産凍結と渡航禁止の制裁対象に指定した。
 安保理によると、サレハ氏は、フーシや国際テロ組織アルカイダの分派「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」を秘密裏に支援した疑いがある。
 サウジの介入直前に南部アデンに逃れたハディ大統領の邸宅が空爆される事件が起きたが、地元メディアではサレハ氏の影響下にある空軍部隊の攻撃との見方が強い。
 フーシとAQAPは、サレハ氏が大統領時代に敵対した武装勢力だ。サレハ氏は両勢力との協力を否定しているが、地元の記者はサレハ氏について「復権のためなら旧敵との連携も辞さないだろう」と指摘する。
 また「アラブの春」への報復という側面もある。サレハ氏は自身の後継となったハディ大統領、「アラブの春」でサレハ氏を見限った最大部族のアフマル部族、反政権運動の中核を担ったイスラム組織ムスリム同胞団を敵視していた。
 フーシは昨年9月に首都に侵攻した後、アフマル部族指導者の自宅や同胞団事務所などを襲撃。サレハ氏は国連の制裁発表後もハディ大統領を与党・国民全体会議の副党首から解任するなど揺さぶりを続けた。
(毎日新聞)

 サレハ前大統領が、反体制派を支援しているようです。
 復権に向けた危険な賭けはどうなるか。

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