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2015年3月29日日曜日

イエメン舞台に神経戦 イラン存在感、サウジが警戒

【カイロ=大内清】イエメンへ軍事介入したサウジアラビアと、対立するイランとが神経戦を繰り広げている。双方とも現時点では、互いがどこまでイエメン問題に関与するつもりかを瀬踏みしている状況だ。ただサウジは、イエメンのみならずイラクやシリア情勢でも存在感を増すイランを常に警戒しており、28日からのアラブ連盟首脳会議などの場で各国に対イラン共同戦線の構築を働きかけるものとみられる。

 「作戦はあくまで(イエメン南部)アデンの政府を守るためだ」。サウジ主導の連合軍報道官は27日、改めてこう強調した。サウジは首都サヌアを掌握するイスラム教シーア派の一派、ザイド派を通じてイランがイエメンに干渉していると非難するものの、同派の完全排除を目指せば、イランとの対立が抜き差しならない状況に陥りかねないと懸念しているとみられる。

 イランも同様に、サウジの軍事介入を「イエメンへの内政干渉だ」(シーア派高位聖職者)と非難しているが、少なくとも表立っては本格的な対抗介入の姿勢はみせていない。

 シーア派大国イランは、米国主導の対「イスラム国」有志連合には不参加ながら、シーア派が多数派のイラク政府に協力し掃討作戦に参加。シリア内戦でもやはりシーア派系のアサド政権を一貫して支援し、「シーア派ブロック」の盟主として振る舞ってきた。

 一方で核開発問題をめぐっては、米欧との協議で限定的な核開発能力の保有と経済制裁の緩和を認めさせることを目指している。米国の中東での退潮が進む中、その隙間を埋めるように地歩を固めているとみることもできる。

 こうした事情からサウジには、裏庭のイエメンにもシーア派系政権が誕生すれば、自国の域内での影響力が揺らぎ、イランの伸長を阻止できなくなるとの危機感があるとみられる。

 アラブ連盟は28日、エジプト東部シャルムエルシェイクで首脳会議を開き、米国の影響力減退と域内の脅威に対応するため、連盟初の「アラブ合同軍」の設立に向けて協議した。サウジとしては、一連の動きをイランへの対抗措置と、アラブ各国からの支持固めにつなげたい考えだ。

 ただ、イランの脅威への認識は、ペルシャ湾をはさんで対峙(たいじ)するサウジなど湾岸諸国とその他の国々では大きく異なっており、アラブとして一致した対応を打ち出せるかは不透明だ。
(産経新聞)
 中東問題は、わかりにくい。
 サウジアラビアとイランの不仲も、スンニ派とシーア派の対立であり、サウジはイエメンのシーア派政権を嫌い、空爆をしている。
 イランは、シーア派の国だから、サウジの軍事介入を非難する。
 シリア内戦のアサド政権もシーア派で、イランと仲がよい。
 イスラム国は、スンニ派の過激派組織で、イラク・イランが協力して攻撃しているが、イランは米国主導の有志同盟には参加していない。
 イランと米国は核問題で対立。スンニ派のサウジと米国も基本的には不仲も、イエメン問題で協力している。
 イスラム国に対抗するため、スンニ派の国が協力して中東軍創設もおもしろい。
 スンニ派とシーア派の対立と米国の関係で見ると、中東問題が、なんとなくわかりやすい。
 

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